独立するまで意外と知らないというか意識されていない方も多いのですが、フリーランスになった後(特に立ち上げ直後)は1人で独立することが多いので、接客以外の集客や支払い・入金確認、契約、口座開設、などなど仕事の範囲が猛烈に広くなります。Youtuberのキャッチコピー「好きなことで生きていく」のような、そこまで楽観的な考えだけではないかもしれませんが、想像している以上に多くのことを同時にこなしていかなければならず、さらに会社で働いているとそういった仕事のしかたに慣れていないため、そこに大きなストレスを感じてしまう方も多いようです。そこで、今回の記事ではフリーランスで行わなければいけない幅広い業務を効率的に行っていく方法をまとめました。業務量が多くて困っている、本来やりたかったことに時間を割けない、こんな悩みを持っている方の参考になればと思います。
目次
フリーランスの仕事は多岐にわたる
起業や独立と聞くと「好きなことを仕事にできていいですねー」と思う方も多いですが(実際私も独立したときはそんなこと言われました)、実際は好きなことだけして生きていくことなんてできません。プランナーであればお客様のプロデュースだけしていればいいわけではなく、事業として運営していくためにはそれ以外に様々な業務をこなしていかなければいけません。
- 集客用のサイトの制作
- ブログやSNSの更新
- 銀行口座の開設
- 入金や支払いの処理
- 契約書の作成、締結
- 事業計画の作成
- 毎月の会計処理
- 受発注書の作成、送付
- 保険、役所の対応
などなど、実際はまだまだありますが、結婚式場の運営会社だとマーケティング部が集客業務を一括して行っていたり、経理部や法務部など管理本部系の部署で契約や会計にかかる業務を行っていることが多いので、上記に挙げたような業務経験がある方は多くないと思います。にも関わらず、独立するとこれらの仕事を全部自分でやらなければならなくなります。単純に業務量が多くて大変、というのもありますし、初めてでわからないことが多すぎてストレスMAXというのもけっこうメンタルに影響してきます(私は役所対応で一番苦労しました…、何をしたらいいか本当にわからなかった)。
では、そういった悩みを解決するためにはどういう方法があるのでしょうか。必要な知識を気合ですべて勉強してできるようになる、というのも方法と言えば方法ですが、膨大な時間と体力が掛かりますので、今すぐできることを次から簡単にまとめます。
方法①:不得意な仕事をアウトソース(外注)する
アウトソースしてもいい業務、するべきではない業務
自分が未経験の仕事、やってみたけど苦手だと感じた仕事は思い切ってアウトソースしましょう。別にすべての業務を自分で抱え込む必要はないので、具体的には以下のような業務は検討されてみてもいいと思います。
- ウェブサイトの制作→エンジニア
- 営業ツールなどクリエイティブの制作→デザイナー
- 契約書のひな型の作成、レビュー→弁護士事務所
- 役所への申請、決算等→税理士事務所
これらの業務を正確に無理なくこなしつつ、本業もきちんとできる人はなかなかいないと思います。一方、以下のような業務は自分のサービスの根幹になる部分なのでアウトソースするべきではないと思います。
- ブログ・SNSの更新→自分をアピールする場所
- 事業計画の作成→事業をどうしていきたいのか意思が反映されるもの
- クライアント営業→自分の信用を得ていくために必要なこと
どんな仕事はアウトソースしてもOKで、何は自分でするべきなのか、その判断基準を自分の中で明確にしたうえで業務整理を行いましょう。
アウトソースするときに便利なサービス
元々エンジニアやデザイナー、士業の知り合いがいる場合は直接お願いできますが、そうでなければお願いするにしてもなかなか探すのが難しいでしょう。そんな時は以下のようなサービスがオススメです。
クラウドワークス
日本最大級のクラウドソーシングサービスで、利用者数、仕事依頼数、とも非常に多いのが特徴です。多様なスキルと実績を持った働き手「クラウドワーカー」に対して、仕事を発注から納品までのやり取りとをすべてオンラインで上で完結できるので、忙しいフリーランスにとってオススメです。
案件内容もシステム開発、アプリ開発、ウェブ制作、ロゴマークやチラシのデザイン、ライティングなど、仕事カテゴリーが200種類以上あるので、必要なときに必要な分だけ利用するのもいいと思います。
ランサーズ
クラウドワークスと同じく、日本最大級のクラウドソーシングサイト。どちらかと言えばウェブ系の案件が多いかなという印象はありますが、どちらか使いやすい方でいいかなと思います。
弁護士ドットコム
日本最大級の法律相談・弁護士検索のポータルサイトです。どちらかと言えば民事系の案件の紹介が多いようにも見えますが、オンラインで法律相談も可能なので、法務や契約書などで困ったときは活用してみるといいでしょう。また、姉妹サービスで税理士ドットコムもあるので、税金や経理・節税で困ったときはこちらも併せて見てみてください。
クラウドワーカーとのマッチングサイトや専門職まとめサイトは他にもたくさんありますが、最初は案件数も利用者も多いサイトで初めて見るといいでしょう。使いやすいですし、どんなものかもよくわかると思います。
業務をアウトソースする際に注意するポイント
必ず注意しなければいけないのが、業務丸投げではなく最低限知っておくべきことは勉強は絶対にしておかなければいけないという点です。例えばホームページを作るにしても、予算いくらでいい感じにお願い!では依頼された側もどんなものを作ったらいいかわからないですし、デザインからお願いしたい場合はエンジニアだけではなくデザインはデザイナーにもお願いしなければいけません。民事の離婚案件に強い弁護士に企業法務をお願いしても苦手かもしれません。
- 何に困っていて(何を解決したくて)
- いつまでに
- どんなことを終えられればいいか
少なくとも発注要件を正確に自分で決めること、さらにエンジニアとデザイナーはそれぞれ何をする人なのか、弁護士と言ってもどういう強み弱みがあるのかなど、このあたりの勉強は発注前に自分でもしっかりするようにしましょう。
方法②:アルバイトや社員を雇用する
社員を雇用するときに注意すべきこと
順番的には、先にアウトソースを検討し、それでも業務が回らなかったりうまくいかないときに、人を雇うことを検討した方がいいでしょう。アウトソースする場合は、経営状態が厳しくなったときに発注を止めるとコストも止まりますが、一度社員やアルバイトを採用すると人件費が毎月固定費としてかかり続けるので経営を圧迫するリスクがあるためです。
家族や身内であれば多少は融通が利くかもしれませんが、今月の成約0組だったから給料はちょっと先延ばしでお願い…、といったことがもし日常的に起こってしまうと雇用したスタッフも困りますし、もしそういう噂が広まるとすぐに信用を失ってしまうからです。ある程度集客や成約、施行、売上までの数字が安定してきたら前向きに考えていいと思いますが、最初のうちは採用に関しては慎重に考えすぎてもいいくらいだと思います。
フリーランスやスタートアップにオススメの採用方法
売上規模が小さかったり、採用に十分なリソースを割けない場合、大手企業のように求人雑誌やウェブサイトに広告をたくさん出して募集をするという方法は取れません。そこで、フリーランスやスタートアップなど規模が小さい会社や個人でもできる採用方法をご紹介します。
リファラル採用
リファラル採用とは紹介によって、業務内容に適した人を採用する方法です。アメリカではGoogleやFacebookなどのIT企業をはじめ、すでに約85%以上の企業で導入されており、日本ではまだ馴染みの薄い採用方法ですが、ビズリーチやメルカリ、エウレカといったベンチャー企業では既にこのリファラル採用を導入し業績をアップさせています。今後は今よりもっと浸透していくと思います。
立ち上げ直後は自分しかいないので紹介というよりは知り合いにお願いする、というイメージですが、もともとの仕事ぶりや能力などを知っている方が採用後の業務へのマッチもしやすく、お金もかからないのでメリットが大きいでしょう。。
ホームページに採用ページを作る
Wordpressでホームページを作った場合は、募集要件(人数、給与、場所、時間などの労働条件は明記)をまとめて、それを固定ページで採用ページ作りましょう。ブログの記事としてアップするのもいいですが、記事数が増えてくるとどうしても埋もれてしまうので、トップやサイドバーから1クリックでいける導線を用意したほうがいいと思います。更新も比較的簡単ですし、作っておいて損はないでしょう。
SNSで募集する
自分のサービスまたは個人アカウントで募集をかける方法です。エンジニア採用ではツイッターを通じて採用するケースがじわじわ広がってきていますし、スタートアップの経営者が自分のFacebookで募集告知を出していることもよく見かけます。もともとブライダル業界にいた方であれば知り合いとのつながりも既に持っていることが多いでしょうから、SNSを使った募集をかけるのも1つの手段です。
ビジネスSNSの活用(wantedlyなど)
多少のコストをかけていいならwantedlyなどのビジネスSNSでアカウントも作るのもありでしょう。ブライダル業界で積極的に活用している企業はあまり見かけないですが、特に学生のインターン活用などではかなり有効な手段になりつつあります。
まとめ
業務効率の改善、主に業務整理に関しての方法をまとめました。せっかくフリーランスになったのですから、自由度が高く働けるというメリットを最大限いかせるように、自分がするべき仕事とそうでない仕事を切り分けて、ストレスフリーに仕事ができる環境を整えましょう。ただ、とはいえ完全に丸投げするのはNGなので、本業以外の知識習得も並行して行うようにしてくださいね。