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フリーランスとして仕事をするなら知っておくべきお金のこと

公開日 2018/11/19
フリーランスとお金

フリーランスとして仕事しようとした際に、個人事業主として独立するか法人化するかどちらかの方法を取ることになりますが、いずれにせよ会社員時代とはお金の面で大きな違いがあります。毎月決まった日に決まった給料を誰かが振り込んでくれるわけではないですし、税金や保険も会社員の時とは変わってきます。フリーランスになったらそれぞれの制度や仕組みを理解し、決まった業務を安定して行うことが必要ですが、そもそも意識したこともなければ初めてのことでわからない、何からどう調べていいかわからないということもあるのではないでしょうか。そこで、今回の記事ではフリーランスになったら知っておきたいお金に関する知識をまとめました。これから目指している方や独立されたばかりの方にとって参考になればと思います。

会計の知識を身につけよう

起業するにしろ個人事業主として仕事をするにしろ、会社の数字はしっかりと理解していかなければいけません。会社員の時は自分の給料が何日にいくら振り込まれるのかだけ把握しておけばよかったですが、事業全体の数字を知ってそこから自分の手取りを出差なければいけないので、必然的に見なければいけない数字が増えます。とはいえ、数字が苦手だったり会計なんて聞いたこともない…、という方もプランナーの中には多いと思います。数字が苦手…とか会計の概念がさっぱり…という方は、ものすごく簡単に「会社の家計簿」のようなものと考えてもらうとイメージしやすいかもしれません。

フリーランスになったら、具体的なお金のやりくりの前に基本的な概念や考え方(PL、キャッシュフローの2つは必須、余裕があるならBSも含めて3つ)をしっかりと勉強して身につけましょう。

損益計算書(PL)

損益計算書とは、1年間の経営成績を表す決算書で、収益、費用、利益の3つに分けて書かれています。家計簿をイメージしたときに一番近いのがPLで、収益に対する費用とその差である利益が一覧にまとめられた財務諸表です。

キャッシュフロー

キャッシュ・フロー計算書とは、一会計期間の企業のキャッシュ・インとキャッシュ・アウトを捉え、キャッシュの流れを計算して表示する財務諸表です。

貸借対照表(BS)

貸借対照表とは、会社のプラスの財産(資産)とマイナスの財産(負債)のバランスをまとめたデータ表のことで、会社の財政状態(主に資産と負債)がどういう状態にあるのかを表している財務諸表です。会計を勉強し始めたときは、BSの理解が一番難しいかもしれません。

それぞれの深い解説はここでは割愛しますが、ざっとどんなものかについて理解しておくといいでしょう。ちなみに、個人的な意見としては、立ち上げ直後はキャッシュフローが一番に大事で、しっかり理解しておく必要があると思います。資産がなくても利益は出せますが、利益が出ていてもキャッシュショートすると倒産するので、最初はほんとキャッシュ大事!です。

売上の管理方法を知っておこう

売上についても詳しく知っておきましょう。会社員の時は「毎月の売上目標がいくら」「実績はお客様の単価の合計で達成率は●%でした、これくらいの意識しかなかった方も多いと思いますが、案件ごとにもう少し細かく分類しておくことが必要です。

その売上は単発か、継続的な売上かを確認する癖をつけよう

例えば、お客様から頂いたプロデュースフィーは単発での売上ですが、ブライダル企業に対してコンサルティングを行ったフィーは契約期間中は継続的に売上として入ってきます。イメージ的には単発の売上は歩合給のインセンティブ、継続的な売上は固定給、といった感じでしょうか。

単発売上で、一度売上として計上すると同じお客様からまた売上をもらうことは基本的にありません。常に新しい売上対象を確保し続けることが必要です。

一方、継続的な売上は契約した期間や内容によるものの、少なくとも契約期間中は継続して売上の見通しが立つので、ある程度売上予測を立てることができます。創業初期の売上ポートフォリオは継続と単発のバランスを取った構成を考えるといいと思います。

入金時期はいつかを確認する癖をつけよう

次に意識したいのは「その売上はいつ入金なのか」です。施行日にウェディングプロデュースのフィーをもらう場合、例えば今日成約が決まったとしても実際に入金されるのは10か月後ということもザラにありますし、対企業のプロデュース依頼案件であっても、施行日の月末締め翌月末払いなどであれば、最大で2ヶ月くらい振り込まれないことも起こりえます。

このように売上計上のタイミングと実際の入金のタイミングが微妙にずれる状態が多いと、PL上は全然大丈夫なはずなのにキャッシュが足りなくなる、という事態が起こりえます。入金が月末なのに、人件費の支払いが25日だとあれ足りないぞ?ってことになります。会社員時代にエクセルや社内イントラなどに表示される「目標数値としての」売上しか見たことない方も多いと思いますが、フリーランスでは売上はダイレクトに「お金」になるので、「支払いはできるだけ遅らせる、入金はできるだけ早くしてもらう」、この意識を徹底して持つようにしましょう。

最初の売上までに必要なお金を用意しておこう

最初の売上が入るまでの期間に必要なお金は、立ち上げ前に用意するようにしましょう。特にブライダルは施行前に(売上が入ってくるより先に)アイテム購入などお金が必要になる場合が多いので、事業計画を立てるときは注意してください。

せっかくうまく立ち上がったのに、入金までの期間を耐え切れなくて撤退とか残念過ぎるので、

  • フリーランスになる前に自分でためる
  • 出資してもらう
  • 身内から借りる
  • 融資や銀行などで借りる

など、お金を調達する方法いくつもあるので、まずどれくらいの期間でいくら必要なのかをシミュレートし、その金額をどのように用意するかを決めてからスタートした方がいいと思います。

銀行口座は出金用と入金用を分けて管理しよう

法人用の口座、または個人事業主の場合でも、事業のお金を管理する口座は個人用の口座を使わず専用口座を用意したほうがいいと思います。全部を同じ口座で管理すると、何のお金かわからなくなりやすいのと、入出金履歴から売上と費用の数字を追いにくくなるためです。

また、個人的には入金用の口座と出金用の口座は別にしたほうが、管理しやすいと思います(これは人によって意見が違うところではあります)。口座を分けるメリット/デメリットは以下の通りです。

  • 【メリット】入出金履歴が追いやすく、管理しやすい
  • 【メリット】将来的に経理業務を誰かに依頼するときに、出金用口座だけを渡すと横領やお金を抜かれるリスクを減らして業務切り分けができる
  • 【メリット】出金用口座を楽天銀行など手数料の安い銀行にすると、トータルの支払手数料を抑えることができる
  • 【デメリット】入金用口座→出金用口座の資金移動に手数料が毎回かかる
  • 【デメリット】単純に口座資料や通帳、カードが増えるし、ネットバンクのアカウントも増えるので管理が苦手な人は紛失してしまいやすい

私も口座は入金用と出金用に分けて管理していますが、最初は振込処理を多く行わないといけないですしめんどくさいなと思ったのですが、本業が忙しくなってくると前に何をどこに振り込んだかなどは覚えていられなくなります。1か月前に振り込んだはずだが…?となったときに、入金も出金も両方の履歴の残っているところから照合するよりも、シンプルで管理しやすくて楽だなと思っています。

お金を借りるための方法を知っておこう

最後に、フリーランスになった後(またはなる前に)お金を借りる方法をご紹介します。あ、借金!と聞くと抵抗を感じる方も多いかもしれませんが、起業やフリーランスになった方で事業運営に対して意味のある借金は何の問題ないので、そこの抵抗感で事業成長の機会を逃さないでくださいね!

1.日本政策金融公庫から借り入れる

日本政策金融公庫とは、政府が運営している個人事業主や中小企業をサポートするために機関で、中小企業の経営者や個人事業主に対して融資やお金を貸してくれます。日本政策金融公庫からお金を借りるときのメリットとしては、

  • 借りやすい(もちろん丸腰では貸してくれませんよ!)
  • 金利が安い
  • 担保が必要ない
  • 保証人が必要ない
  • 返済期間が5年以上と長い

などがありますので、最初に検討されてみるといいでしょう。
(参考)日本政策金融公庫ホームページはこちら

2.友人や家族に借りる

関係性や借りたい金額に寄りますが、1つの方法です。

3.投資家に出資してもらう

投資家にはVCから個人で活動しているエンジェルまで様々いますが、将来的な事業成長と売上拡大を目指しているのであれば検討してもいいでしょう。

4.信用金庫から借入する

日本政策金融公庫の方が借りやすく金利も安いですが、日本政策金融公庫では融資を受けることができなかった方でも信用金庫ではお金を借りられたというケースもあります。信用金庫からの借入は、公庫に比べ、金利が少し高く、借りるまでに時間がかかりますが、まとまったお金が必要で公庫からだけでは足りない場合や、公庫では借りられなかった場合に検討してみるといいでしょう。

5.補助金や助成金を申請する

国や地方自治体が行っている補助金、助成金の制度は、先にお金をもらえるのではなく、お金を支払った後に入金される資金調達方法です。そのため、初期の運転資金のあてにするのは考え方として間違っていますが、助成金は要件を満たした場合に、必ず受け取ることが出来るので申請はしておいて損はないと思いますし、補助金も要件を満たした方でかつ審査を通過すると受け取ることができるので、自分が起業する地域ではどういった補助金や助成金があるのかをホームページなどで調べてみるといいでしょう。

まとめ

意外とみんな知らないお金のことについてまとめました。日本の教育では会計の勉強をする機会はほとんどないですし、社会人になってからも経理の人以外はあまり触れることもないと思います。フリーランスになるとそのあたりの管理も自分でやらなければいけません。売上があるのに利益が出なかったり、利益が出ているのに倒産することもたくさんあるので、正しい知識としかるべき準備をしっかりと整えて、少しでも成功確率を上げていきましょう。

Wedding Me Career

Wedding Me Career編集部
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