就職・転職を考えるときには、年収や毎月の給与を知った上で企業を比較検討する人がほとんどでしょう。ブライダル業界での仕事は激務と言われることが多いですが、果たしてそれに見合った給与はもらえるのでしょうか。今回は、ブライダル業界の気になる給与相場についてお話しします。
目次
ブライダルの平均年収は300万円台
ブライダル業界での仕事はハードと言われがちですが、その割に平均年収は高いとは言えないのが正直なところです。気になる年収ですが、ブライダルの平均年収は300万円から400万円といわれています。ブライダル業界は比較的年齢層の若い従業員が多いことも関係しているのでしょう。
平均年収は、エリアによっても異なります。関東地区や関西地区などになると、全国平均よりも30万円から40万円ほど高くなり、九州地区や東北地区などになると逆に安くなる傾向があります。これは、ブライダルに限らずどの職種にも言えることですが、都会で生活するにはその分生活費もより多くかかるため、その分給与が高く設定されています。
ウェディングプランナーの給与相場
ブライダル業界にはさまざまな職種がありますが、ブライダル業界と聞くと、真っ先に「ウェディングプランナー」が思い浮かぶ人が多いのではないでしょうか。確かにウェディングプランナーはブライダル業界において最も中心的存在であり、人気の職種で注目度は抜群に高いです。ここでは、人気のウェディングプランナー職の給与相場に注目してみましょう。
未経験で入社する場合の初任給は18万円程度が一般的
ウェディングプランナー職に就く場合、未経験スタートの初任給は「基本給18万円スタート」くらいに設定されているケースが多いです。未経験でブライダル業界に就職し、ウェディングプランナーへの道を検討している人にとっては、「給与はあまり良くないのか」と思えてしまうかもしれません。
ですが、初任給18万円はそれほど極端に低すぎる数字ではありません。多くの業界で20万円以下の初任給が設定されています。初任給はあくまでも初任給、これから昇給していくチャンスはたくさんあるので、前向きにとらえていただきたいところです。
プランナー経験者の初任給はどのくらい?
未経験ではなく、他の企業でプランナー経験のある人であれば、初任給も大きく変わる場合があります。このときに目安となるのは「以前の職場での基本給」です。以前の職場でプランナーをしていたときの基本給が仮に25万円だとします。この場合は、面接が進む中で給与に関する話題にふれるときに、「以前の給与より下がることはなるべく避けたい」と要望を伝えると良いでしょう。企業から以前の給与について聞かれることも珍しくありません。
多くの場合、プランナーがプランナーとして他社に転職する際には「ほぼ同じ条件、もしくは以前よりもわずかに良い条件」で給与を設定してもらうことができます。もちろん、交渉次第なので確実に以前の給与額を保てるとは言えませんが、プランナー職は経験者が優遇されるのは確かです。特に経歴が長ければ長いほど、プランナーとしての経験があると見なされるため、さらに有利です。
ウェディングプランナーの年収相場は幅が広い
ブライダル業界の中でもウェディングプランナーの年収相場は上から下までかなりの差があります。ウェディングプランナーの年収は250万円から450万円と幅が広いのが特徴です。そして、この差は「経験」と「実力」により生じるものです。
経験は、単純にプランナーとしての勤続年数が長くなれば自然に積み上げていけるものです。プランナーの基本給は、年に1度もしくは2度などの企業が設定した間隔で少しずつではあるものの確実に上がっていきます。
それに対して実力は個人差が顕著に表れるところです。プランナーの給与に影響するスキルとしては、「新規顧客の獲得数(新規成約率)」や、「既存顧客の単価UP(打合せにより1組当たりの結婚式の単価を上げる)」などが挙げられます。これらは、査定時に給与アップに繋がりやすい主なポイントです。これらの実力が著しく高いプランナーは、基本給UPやインセンティブ獲得ができる機会が多く、結果的に年収も高くなります。
ウェディングプランナー職以外のブライダルの給与相場
ブライダルの業界には、ウェディングプランナー以外にもさまざまな職種があります。ここでは、ウェディングプランナー以外の職種に注目し、それらの給与相場について紹介します。
衣裳店で花嫁に似合うドレスを提案する「ドレスコーディネーター」
結婚式と言えばウェディングドレスですが、ドレスを担当するのはウェディングプランナーではなくドレスコーディネーターと呼ばれるスタッフです。ドレスコーディネーターは、ひとりひとりの花嫁に合ったドレスを見立て、ドレスに合った小物合わせまでをトータルコーディネートするお仕事です。
ドレスコーディネーターの年収は300万円から400万円ほどの場合が多いです。ウェディングプランナーと比較してもそれほど変わりません。強いて言うならば、ウェディングプランナーよりも若干給与の上り幅が小さい点が特徴です。
つまり、ウェディングプランナーの方がドレスコーディネーターよりも、「将来的に経験を積めば給与が上がり、大きく稼げるようになる」可能性が高いと言えますが、あくまでも一般論です。
結婚式当日会場でのサービスを担当する「バンケットサービススタッフ」
バンケットサービスは、宴会場での配膳などをおこなう職種です。結婚式の披露宴も宴会のひとつであるため、披露宴会場で料理や飲み物をお客様に提供したり、お客様を待合スペースから披露宴会場まで案内したりするのはバンケットサービスの仕事です。
バンケットサービスは、ブライダル企業によって「自社でバンケットサービスの部署を構える」ケースもあれば、「バンケットサービスを外注する」ケースもあります。ここでは、ブライダル企業に直接雇用されているバンケットサービスの給与相場をお話しします。
バンケットサービススタッフの年収は、300万円が平均的です。しかし、バンケットサービススタッフの中でも、キャリアが長く、結婚式当日のバンケットサービスをまとめる「キャプテン」と呼ばれる人たちに関しては、年収が平均の300万円よりも上回るケースが多いです。
キャプテンはとても重要なポジションです。結婚式当日は、ウェディングプランナーよりもさらに新郎新婦と近いところにいるのがキャプテンです。緊張する新郎新婦を優しくリードし、最高の一日を送ってもらうために尽くすのがキャプテンの仕事であり、これには大きな責任も伴います。
ブライダルは年収よりもやりがいにこだわる業種
ここまでのお話で、理解いただけたかとは思いますが、ブライダルは決して年収の高い業界ではありません。特に、スタート時の初任給に関しては他業種と比べても変わらないか、やや低めの設定です。それでいて、結婚式という非常に重要度の高いものに関わる仕事で、その業務内容もハードです。
年収や給与に関しては、生活に直接的に影響するためとても重要なポイントではあります。ただ、ブライダルほどやりがいのある仕事はなかなか他に見つけることができないといっても過言ではありません。ブライダル業界は、仕事にやりがいを求める人にこそぴったりな仕事なのです。
ブライダルの給与相場についてまとめ
今回は、ブライダルの給与相場、特にウェディングプランナーの年収や給与についてお話ししました。ウェディングプランナーの平均年収は300万円から400万円と、それほど高くはありません。ウェディングに関わる仕事に就くには、結婚式に対する強い想いを持っていることが必須となります。
「最高の時間が過ごせました!」と結婚式後の新郎新婦に言ってもらえるような、最高の結婚式を作りたいと思うその気持ちがあってこそ、ブライダルでやりがいをもって働き続けることができます。そのうちに、スキルや実績が伴い給与も上がっていき、気付けば年収が400万円を超えることは珍しくありません。大切なのは「想い」の部分だということを忘れないようにしましょう。