ボーナス(賞与)は固定給とは違い、どの会社でも必ず支給されるものではありません。また、職種や雇用形態、雇用期間などによっても支給有無や支給額が異なるので、就業規則や雇用契約書でどのように規定されているかを入社前に確認しておく必要があります。ここをおろそかにしてしまうと、入社してみたら実はボーナスがない会社だった、思っていたより支給額が少なかった、こういった音になってしまう可能性もないわけではありません。そこで、今回の記事ではウエディングプランナーのボーナスについてまとめました。これから目指す方や転職を考えている方にとって参考になればと思います。
目次
そもそも「ボーナス(賞与)」とは?
ボーナスの概要
ボーナス(賞与)とは厚生労働省の通達において「定期又は臨時に、原則として労働者の勤務成績に応じて支給されるものであって、その支給額が予め確定されていないもの」と説明されています。つまり、毎月の給与のようにボーナスの支給額があらかじめ決まっているわけではなく、会社の期中の業績や所属組織や個人の評価によって支給額が決まるというのが特徴です。
会社が社員に対してボーナスを支払うかどうか(支払いの義務があるかどうか)は、就業規則と雇用契約書でどのように定められているかによって決まります。就業規則または雇用契約書のいずれかにボーナスを支給する旨の記載があった場合は、原則的には支給されることになりますが、いずれにも記載されていないまたは支給しないことが明記されている場合は、会社は支払い義務はなく支払われなかったとしても何の問題もありません。ただし、例え支給すると書かれていたとしても、ほとんどの会社では「会社の業績等によっては支払わない場合がある」というただし書きがついており、赤字決算や大幅減益になった場合は、賞与の支給がないこともあります(ボーナスの原資がないため)。
ボーナスの金額はどうやって決まるのか?
ボーナスの支給有無や支給する金額は就業規則などで計算ロジックを明記していなければ、極端に言えば毎回会社側で決めてもよいのです。例えば数が10名程度の中小企業の場合は、ボーナスの金額は経営者が決めていることが多いでしょう。就業規則などに賞与の計算式が特段定められていない場合には、このような経営者の主観的判断による賞与額の決定も法的には問題ありません。単一店舗を運営しているブライダル企業などであれば、オーナーや支配人の一存で決まることも多いのではないでしょうか。
一方、社員数が数十名規模になってくると、ある程度のルールに基づいて決定されていることがほとんどで、一般的には就業規則や評価制度などの中で明確にされているケースが多いです。個人評価や部門評価をもとに各部門の責任者がボーナス額を一次評価し、最終的に経営者や役員がボーナス額を決めるという流れが多いでしょうか。
さらに、社員数が百名を超えるような会社規模になってくると、社内規定なども整備されていてボーナスの規定に関しても明確に定められていることが多いでしょう。一般的なボーナスの金額のロジックは、
- 基本給×月数×評価係数
という形が多いかなと思います。基本給は残業代などを含まないベースの月給です、月数は評価係数とセットにされている場合もあり、評価係数は該当期間の社員や組織のパフォーマンスによってS~Cなどの評価ランクを設定していることが多いでしょう。これらの各数値をかけ合わせることで、合理的かつ客観的に個人ごとのボーナスの金額を決めていくのです。
ウエディングプランナーにボーナスはあるの?
ボーナスをもらうための前提条件
ウエディングプランナーだからと言ってボーナスがもらえないということは当然なく、普通に支給されていることが多いですが、前提としてはいくつかの条件をクリアしていることが必要になります。
ボーナスを支給する会社に所属すること
当たり前ですが、就業規則や雇用契約の中でボーナスが支給されると記載されていない会社だとボーナスは出ませんので、入社前に確認しておくことが必要です。ただ、直接採用担当者などに聞かなくても求人票に明記されている場合も多いですし、内定後入社前に確認することも可能なので、入ってみたら実は違った!というケースはあまり多くはないでしょう。
正社員で雇用されていること
ブライダル業界の求人の中には、契約社員やアルバイトでの募集求人も多いため、よく確認しないで応募すると実は正社員ではないのでボーナスは支給されません、ということも起こります。正社員以外の雇用形態のスタッフにも支給している会社ないことはないですが(ボーナスという形態かどうかはさておき)、まずは正社員としての雇用が前提となります。
該当期間所属する
多くの会社では6月と12月の年に2回にボーナスが支給されますが、その対象となる期間はそれぞれ10月~3月と4月~9月です。ボーナスの支給対象となるのはこの期間すべてに在籍していたこと(または5か月以上在籍していたこと)、と規定に明記されている場合、期間途中で中途入社した人に対してはボーナスは支払われません。
ボーナスをより多くもらうためには何が必要?
先ほども書いたように、ある程度の規模の会社に所属している場合のボーナスの金額の計算式は
- 基本給×月数×評価係数
なので、基本給を上げるか評価係数を上げるかのいずれかを達成しなければいけません。
基本給を上げる
役職規定によりますが、基本的には高い役職に就くことが必要です。スタッフからリーダー、チーフ、マネージャ、支配人、エリア統括、本部長、といったラインが一般的でしょうか。昇進のための要件は会社によってそれぞれですが、残業代や手当などを込まない基本給を挙げることが必要です。
評価係数を上げる
該当期間の評価がよかったら高くなり、悪かったら低くなります。評価基準も会社によって様々ですが、成約数や売り上げなどの定量的な評価と職位別に設定されている定性的な評価基準の達成度などで評価している会社が多いと思いますので、その基準を大きく達成することが重要になります。
転職サイトのウエディングプランナー求人例
賞与有りの求人例(賞与と明記されている求人例)
■求人例 ①
残業代がどのような扱いかはわからないですが、年収例を見ると賞与分は140万円なので、年2回支給とする各70万円ずつ、約2.3ヶ月分ずつ支給されるようです。
■求人例 ②
賞与1回あたりの支給は、年収例を見ると1.5か月分前後くらいです。
■求人例 ③
賞与があることは明記されていますが、他にも残業代や手当を含んだ年収例なので、この情報だけでどれくらいの金額が支給されているかはわからないです。
■求人例 ④
計算すると、年2回の各賞与の1.5か月分~2ヶ月分ほどのようです。
■求人例 ⑤
計算すると1.5か月分ほどのようです。
賞与無しの求人例
■求人例 ①
月給×12ヶ月=年収となっているので、賞与はないのでしょう。年俸制としている会社はこのようなケースが多いです。
■求人例 ②
賞与に関する記載はありません。月給を12倍すると年収と40万円の差がありますがこれが手当なのか超過残業代なのか、記載されていないけど賞与なのかはこの求人情報からだとわからないです。
■求人例 ③
(インセンティブ+月給)×12ヶ月=年収となっているので、賞与はないのでしょう。
賞与有り求人の割合は?
詳しく全媒体・全求人を確認したわけではないので参考程度ですが、おおよそ全求人の6割くらいは賞与有りとなっていました。ただし、記載されていないで実際は支給されているケースもありますので、もし求人に応募する場合は気になるようならどこかのタイミングで確認したほうが良いでしょう。また、支給される場合の金額は約1.5か月分~2.5か月分くらいのレンジが多かったです。
まとめ
ウエディングプランナーのボーナスについてまとめました。仕事へのやりがいを感じてウエディングプランナーを目指す方も多いですが、やはりなんだかんだ言って給与やボーナスなど経済的な条件も大切だと思います。今回の記事をきっかけに、まずは仕組みを理解して転職を決める前にしっかりと把握してから、後悔のないプランナーライフを送ってくださいね。