転職市場において「第二新卒(だいにしんそつ)」という言葉がここ数年でかなり浸透してきていますが、第二新卒の定義とは?転職サイトではなぜ第二新卒が歓迎されているのか?など、疑問を感じている方も多いのではないでしょうか?結論から言うと、転職市場における第二新卒の需要は非常に高く、転職を考えている方にとっても第二新卒は良いタイミングだと言えるのですが、今回の記事では第二新卒についての定義やブライダル業界を目指す場合のポイントなどをまとめました。第二新卒でブライダル業界への転職を考えている方にとって参考になればと思います。
目次
- 1第二新卒とは?
- 1.1そもそもの定義
- 1.2今、第二新卒が企業に求められる理由
- 1.3採用企業が第二新卒に求めること
- 2第二新卒でブライダル業界に転職するメリット
- 2.1未経験からでも挑戦しやすい
- 2.2意欲や人柄などのポテンシャルを重視した選考になる
- 2.3新卒入社の社員と比べて入社後デビューまでが早い
- 3第二新卒歓迎のブライダル求人はどれくらいある?
- 3.1第二新卒歓迎と明記されている求人例
- 3.2第二新卒歓迎求人の割合
- 4第二新卒で転職活動するときに注意すべきポイント
- 4.1退職理由と志望動機をしっかり説明する
- 4.2短期間でも経験やスキルとしっかり話さなければいけない
- 4.3ビジネスマナーなどは相応のレベルを求められる
- 5まとめ
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第二新卒とは?
そもそもの定義
第二新卒という言葉に明確な(法律的な)定義はありません。こう書いてしまうとなんだかおかしな気もしますが、一般的には「新卒で入社して3年未満の転職希望者」を指すことが多いです。年齢で言えば、4年制大学卒業から考えると25~26歳ぐらいまで、短大や専門学校卒だと22~23歳くらいまで、総じて20代前半~中盤くらいの若手社員が転職するに「第二新卒」と呼ばれている、というのが実際のところです。ただし、第二新卒募集!と書いてあっても、企業によっても想定している人材の定義が異なるため一概にこの定義に当てはまるわけではないので注意が必要です。
一般の新卒採用との違いは「短期間でも社会に出た経験がある」という点で、前職での経験を生かすことができる「社会人」との中間として扱われています。社会人経験のある新卒、といった感じですね。
今、第二新卒が企業に求められる理由
日本企業の雇用形態において「終身雇用と年功序列」が当たり前だった時代は、新卒で入社した会社を3年でやめるとは根性のない奴だ、くらいの価値観が一般的でしたが、近年は転職することに対する価値観も一般化してきた、人口動態の変化から若手の採用が難しくなってきたという背景から、第二新卒を積極的に採用しようとする企業が増えてきています。
安倍政権誕生後の景気回復に伴い、企業の採用活動が活発になり新卒採用は激化、その結果予定していた数の新卒を採用することが出来ず、社員の年齢バランスを考えると若手の割合を増やしたい、と考える企業が多くなってきています。また、せっかく新卒で入社しても3年以内に3割が辞めてしまうので、第二新卒にあたる若手社員層は、企業にとって常に人材不足の状態なのです。
こういった背景から第二新卒歓迎の企業が増えてきており、大手企業から地域密着型の中小企業まで、全国的に業種や職種を問わず募集が相次いでいる状況です。
採用企業が第二新卒に求めること
このように、組織の年齢別構成比率を考えたときに第二新卒層を採用したい、というのは企業側の組織設計上の背景ですが、採用した個人について求めるのはどのようなことでしょうか?
先ほども書いたように第二新卒は「社会人経験のある新卒」という捉え方をしているので、
- 基本的なビジネスマナーなどの研修は不要でその点では即戦力とみなせる
- 年齢的にまだ若いので将来的な伸びしろを期待できる
- 社会人経験が浅い分、変な癖なども付いておらず自社の風土に柔軟になじむことができる
これらのポイントを期待しています。もちろん、これは第二新卒全体でくくったときのポイントなので、個別の職種や企業によって細かな点は違ってくると思いますが、一般的な中途社員採用のように特別なスキルや経験を求められる・重要視されることはほとんどないです。
第二新卒でブライダル業界に転職するメリット
ここまで第二新卒に関する一般的な知見についてまとめましたが、次に第二新卒でブライダル業界に転職する場合のメリットについてもまとめます。
未経験からでも挑戦しやすい
ウエディングプランナーをはじめ、ブライダル業界へ転職する場合、中途採用では特にスキル面でのチェックが厳しくなります。結婚式はBtoCで無形の高額商材というかなり特殊なサービスなので、このようなサービスをきちんと売ることができるのか、ミスや事故を起こさずにしっかりとプランニングできるのか、といった点を選考でしっかり見極めないと入社後の活躍が見込めないからです。そのため、中途採用をするときはどうしても業界経験者を採用したいと考える企業が多く、年齢が高くなるにつれて異業種からの挑戦は難しくなってきます。
一方、第二新卒採用ではまだ若手なのでスキルや経験はそこまで重要視されません。もし全く異なる業界の経験しかないけどブライダル業界にあこがれを持っている方などであれば、第二新卒枠での応募はチャレンジしやすいと言えると思います。
意欲や人柄などのポテンシャルを重視した選考になる
ある程度の経験やスキルはチェックするものの、採用基準としては新卒とかなり近いと思います。30歳以上の方の場合だと、スキルも経験もないけど熱意は人一倍あります!と言っても採用される可能性は低いですが、第二新卒であれば可能性は十分あると思います。もちろん、それまでの経験で成果を残してきたのであればそれを活かしていけますが、それがなければいけないということではないので、熱意があればチャレンジしやすいと思います。
新卒入社の社員と比べて入社後デビューまでが早い
まだ若手とはいえ1年~3年ほどは社会人としての経験があるので、言葉遣いや立ち振る舞い、所作、名刺交換、電話のかけ方など基礎的なビジネスマナーは身についているものと採用担当者は考えていますし、実際そのあたりのスキルは身に着けている方がほとんどでしょう。
新卒でブライダル業界に入社した場合、お客様の前に出る間にまずビジネスマナーを徹底的に研修して身につけさせる企業がほとんどです。成果を求める前に、接客に出てお客様を不快にすることがないようにするためですね。期間は1ヶ月~数ヶ月くらいと企業によってバラバラですが、基礎的なスキルは相応の時間をかけています。
その点、第二新卒はこの研修期間をカットできるので、業界未経験からの転職であっても新卒社員よりは早く接客にデビューすることができます。
第二新卒歓迎のブライダル求人はどれくらいある?
第二新卒というカテゴリが一般化してきた現在では、多くの転職サイトに「第二新卒歓迎」などのフィルタ機能がついています。
転職サイトに実際に掲載されている情報から、第二新卒歓迎の求人がどれくらいあるのか見てみましょう(今回はマイナビ転職の求人からピックアップしています)。
第二新卒歓迎と明記されている求人例
第二新卒歓迎は「求める人材」欄に書いてあることがほとんどでした。
第二新卒歓迎求人の割合
この記事を書いている時点で掲載されていたウエディングプランナーの求人は44件、そのうち第二新卒歓迎の求人は42件でした。約95%!ほとんどが歓迎、ということになりますね。やはりそれくらい若手層の採用に苦戦している会社が多いのでしょう。
ちなみに、上記求人のように歓迎と明記されていたのは約3割程度でした。それ以外は募集要項には明記されていないものの、フィルタをかけると一覧ページに上がってきました。
第二新卒で転職活動するときに注意すべきポイント
第二新卒の求人は多いですが、当然ながら熱意があれば誰でも採用してもらえるわけではありません。次に、第二新卒で転職をしようとする場合の注意するポイントをまとめます。
退職理由と志望動機をしっかり説明する
第二新卒は採用する企業としてメリットが大きいですが、「新卒で入社した会社を短期間で辞めてしまう候補者」でもあるので、企業側からすると「またすぐ辞めてしまうのでは?」という不安も抱えています。
第二新卒になる主な理由としては
- スキルアップを目指したい
- 入社前にイメージしていたやりたい仕事と違った
- 働いてみたらこの職種や業種に適性がないことが分かった
- 給与や休日、福利厚生など労働条件に不満があった
- 人間関係が悪い、セクハラ・パワハラが横行しているなど職場環境が悪かった
など様々ですが、採用担当者に「転職後は同じ理由で転職しないよ」とアピールするためには、転職理由と志望動機がしっかりリンクしていること、この転職によってその理由が解決するというストーリーを伝えることが重要です。そのためには、なぜ短期間で辞めようと思ったのかの理由、その原因を追究して今後どのように改善しようと考えているか、将来的にどのようなキャリアを描いていきたいかを自分の言葉で話せるまでしっかり準備しましょう。もし、採用担当者にしっかり伝えることができればとても魅力的な転職希望者となるはずです。
短期間でも経験やスキルとしっかり話さなければいけない
第二新卒は新卒とは違うので、例え1年ほどの短期間であっても前職で経験してきた業務やそれによって身に着けたスキルなどの職歴は必ず面接で聞かれます。これといってアピールできるようなことがないと自分では感じていたとしても、応募先の企業にとっては重要な経験となるかもしれないので、
- 前職ではどんな仕事を担当してきたのか
- 仕事の中でどんな役割を期待されていたのか
- 仕事を通じて身に着けたスキルは何か
これらのポイントは少なくとも明確に回答できるように準備しましょう。完全なポテンシャル採用ではないので、やる気や未来の話だけでなく、これまでのことも話せること必要です。
ビジネスマナーなどは相応のレベルを求められる
第二新卒採用では言葉遣いや振る舞いなど、社会人として当たり前のことは身に付いていると考えられています。年齢的にも社会人としての経験的にも第二新卒らしいフレッシュさや素直さと言った点は武器にはなりますが、それでも最低限のマナーは守ることができているかは重要な採用基準の一つととらえておいた方がいいでしょう。
特にブライダル業界は、他の業界と比べてマナーや礼儀作法が厳しい業界です。もし未経験でチャレンジしたいと考えている方は、まずここから準備に取り組むとよいかと思います。
まとめ
第二新卒についての簡単な概要と、ブライダル業界での転職の可能性についてまとめました。ここ数年の有効求人倍率が高くなってきていて転職自体が増えてきていることに加えて、第二新卒は貴重な若手採用枠としてとらえている企業は多いことは実際の求人を見ても明らかです。これからブライダル業界を目指す方は、第二新卒のメリットを存分に活かし、しっかりと準備して挑んでもらえればと思います。