フリーランスプランナーとして活躍していくために、企業で働いていた時と一番意識すべきと思う点は「時間単価の設定」です。単価の高い仕事ばかりを狙って失注を繰り返しても効率が悪いですし、逆に単価の安い仕事を大量に受け続けると業務量の多さに忙殺されてしまいます。そのため、決まった時間を働くと決まった額の給料をもらえていた時と比べて、自分の時間をどのように使うのか、その時間でいくら稼ぐのか、これをしっかりと自分で定めて仕事を選定していかないと、いつまでたっても満足できる売上や手取りを得ることができなくなってしまいます。そこで今回の記事では、フリーランスの仕事における時間単価の考え方と、単価を上げるために必要なことをまとめました。これからフリーランスになることを考えている方、すでに独立しているが思うように売上を立てられていない方にとって参考になればと思います。
目次
フリーランスプランナーが売上をもらう形態
フリーランスとして独立した後、ウエディングプロデュースで売上を立てるためには大きく分けると以下の2つのパターンの契約があります。
- ユーザーと直接契約を結ぶ
- 企業からの依頼を受ける
独立後に最初に困るのは集客であることがほとんどで、よほど知名度があり独立直後から集客ができる方であれば最初から①だけで生計を立てることも可能かもしれませんが、多くの方は②の企業との契約で案件を数組確保して売上の土台をつくり、徐々に集客力を付けていって①にシフトしていくというパターンになると思います。
フリーランスの契約内容
①ユーザー直接契約の場合
1組のお客様に対してウェディングプロデュースを提供し、固定額または結婚式総額の一定割合分をプロデュースフィーとして直接もらう契約です。1組当たり20万円のフィーをもらう、結婚式にかかった費用総額の10%分をプロデュースフィーとしてもらう、などといった形です。この契約の場合、フィー分は全額売上となるのでその分手取りは大きくなりやすいですが、集客から申し込み、打合せ、当日の施行までを一貫して担当しなければいけないので、かかる工数はかなりの負担となるでしょう。
また、遠方での結婚式の場合などの打合せにかかる交通費や宿泊代などは、どのように契約書に書くか自分で決められます(もちろん、お客様が納得したうえで契約書にサインしてもらう必要があります)。
②企業との契約の場合
ウェディングプロデュースサービスを提供している企業が外部のプランナーに担当を依頼するスタイルでの契約です。1組の施行を担当するごとに3万円~8万円程度の報酬をプランナーに支払うのがだいたいの相場と言えるでしょう。結婚式当日までの打合せの回数や場所、曜日の指定や、当日に立ち合いが必須かどうか、交通費などの実費清算の方法、打合せや披露宴当日が延長した場合の費用をどうするのかについて、など、どのような内容の契約となるかは企業次第です。
そういった案件が常にあるわけではないですが、自分で集客してくるよりは安定して共有されていることが多いでしょう。提示された条件で契約をするかどうかはフリーランスの方次第ですが、ある程度の数を毎月安定して担当を持てると売上の土台を作ることもできます。
契約を有利に進めて単価を上げるのに必要なこととは?
さて、ここまで2パターンの契約形態について簡単にまとめましたが、仕事の単価を上げるためには、
- お客様から頂くプロデュースフィーの単価を上げる
- 企業から発注してもらうときに受ける単価を上げる
いずれも時間当たりの単価を上げることが必要です。フリーランスで活動する方は自分の単価をいくらに設定しようと自分の自由なのですが、設定した高単価で仕事を受注できるようになるためには、クライアント(お客様または企業)と自分のパワーバランスにおいて仕事を受ける側(=自分)の方が強くなることが必要です。そうではないときにどれだけ交渉してもうまくいかないですし、お客様には申し込んでもらえず、企業からは最悪契約を打ち切られる可能性もあります。では、パワーバランスをで自分の方が優位に立てるようになるためにはどのようなことが必要でしょうか?基本的な内容も含めて以下にまとめます。
基本的なビジネスマナーが備わっている
- 連絡のレスのスピード
- 挨拶がきちんとできる
- 遅刻しない
フリーランスとして、というより社会人として当たり前のことですが、このあたりをおろそかにしていると一緒に仕事をする人からの信頼が得られません。特に独立してから少し軌道に乗ったくらいのタイミングで気持ちが大きくなっているときに陥りがちなので、本当に基本中の基本なのですが、まずはここからしっかりしていきましょう。
打合せ・施行をはじめ業務安定度が高い
- 事務処理、手配業務などにミスがない
- 打合せを時間通りに完了できる
- クレームを出さない
具体的なプロデュース業務を高いレベルで行えることが次に大事です。上記は主に企業と契約案件の際に特に注意すべき点で、発注や請求書の処理、データの保管、スケジュールの順守などプロデューススキル以外の面も含めて高いレベルで遂行できるようになることが必要でしょう。また、お客様との契約では「これだけのプロデュースをしてくれるなら●●万円払ってもいい!」と思ってもらえるような提案力や実行力を身に着けることが必要になります。
次の顧客を連れてこれる
- このプランナーが良かったから友人にも紹介しました
ここまで来れたら対企業で強気に交渉してもいいと思いますし、プロデュースフィーの設定も高めに設定してもいいでしょう。企業にとっては集客までしてくれる頼れるプランナーという存在になりますし、お客様にとって高いプロデュースフィーを払ってでも紹介したいプランナーという存在になっているからです。
このように、発注・依頼する企業やお客様が「このプランナーにお願いしたい!」という思いが強くなれば強くなるほど、価格交渉は強くできるようになるので、いきなり交渉したり高めに設定するのではなく、まずは地道な実績作りから始めましょう。
まとめ
1案件当たりの単価が10,000円上がると年間50組担当とすると50万円上がります。2万円上がると100万円です。ウェディングプランナーに限らずフリーランスで独立したばかりのころは信用がない状態からスタートしますが、自分のスキルを磨くことだけでなくホウレンソウなど社会人としてしっかり立ち振る舞い信用をためていくことで、着実に単価を上げていきましょう。