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テーブルセッティングの基本を知ろう|ブライダル基礎講座

公開日 2021/05/05

このブライダル基礎講座は、ブライダル業界専門の転職支援サービス「ウェディングミーキャリア」がお届けするブライダル業界で働く人なら知っておきたい基礎知識をまとめたWEBコンテンツ。
ブライダル業界の全体を知り、より実践に近づく業務を知ることができる内容をお送りします。

テーブルセッティング

プランニング、打合せや手配業務のすべての総仕上げとなるのが、結婚式・披露宴当日です。コーディネーターの当日の役割とサービス業務、挙式・披露宴の進行例について、実践的な知識を理解し当日業務に役立てましょう。今回は『テーブルセッティング』について学んでいきます。

テーブルセッティングとは

披露宴会場のセッティングは、おもに宴会サービス部門が担いますが、当日の進歩やドンデンなどの状況に応じて、ブライダル・コーディネーターが手伝う場面もあります。ここでは、洋式披露宴を想定し、テーブルクロスの種類とかけ方、プレートやシルバーなどの扱い方、テーブルセッティングなどを解説します。

テーブルクロス

テーブルには「ちらし型」に使う円卓と角卓、「流し」に使う流しテーブルなどがあり、それぞれにあわせたテーブルクロスがあります。
円卓にはいくつかのサイズがありますが、ブライダルで使われるサイズは直径が180cmの180φ(パイ)と、直径が200cmの200φが最も多いです。それぞれテーブルサイズにあったクロスを使い、テーブルのサイドにたれる部分が同じ長さになるよう調整します。流しテーブルは様々なサイズがあり、その組み合せによってテーブルクロスを使い分ける。
円卓の場合、テーブルクロスは、上座に対して折り目の山(凸部)が平行になるようにかけるのが基本です。流しの場合は、折り目の山を流しテーブルの中央に揃え、他にも折り目がある時は、上座側に山がくるようにかけます。
テーブルクロスは1枚がけの場合と、テーブルセンター(テーブルランナー)という幅約30~40cmの帯状の布をかける場合、上にトップクロスをかけることがあります。アンダークロスといって、テーブルクロスの下に厚めの布をかけることもあります。

プレート類の種類と取り扱い

プレート(皿)類は、見て楽しんでいただくためのショープレート(ウェルカムプレート)をはじめ、ディナープレート、ミート皿、スープ皿など料理によって様々な種類が使い分けられています。プレート類を総称して「チャイナ」とも呼ばれています。焼き物の中で最も硬質な磁器を使っていることが多く、割れにくいのが特徴ですが、正しい重ね方をしないと欠ける恐れがあるので、丁寧に扱うよう注意しましょう。
ショープレートは、お客様がナプキンをとったら下げるのが一般的です。どのプレートも、会場のマークやホテル名などが記されている場合は、お客様の正面に来るようセッティング、あるいはサービスします。

プレートの種類と大きさ

名称 大きさ 用途
ショープレート 27~32cm 最初にセットされる、見て楽しんでいただくための皿。ウェルカムプレート、レイプレート、デコレーションプレートとも。テーブル上での位置を決めることから、位置皿ともいわれる。
ディナープレート 24~29cm メインディッシュ
ミート皿 21~23cm メインディッシュ、オードブル
スープ皿 21~23cm スープ
デザート皿 18~21cm オードブル、デザート、サラダ
ケーキ皿 18~19cm ケーキ、サラダ
パン皿 14~17cm パン、プチケーキ、フルーツ

テーブルサイズ

円卓には他に、120φ、150φなどがあります。φは単位ではなく、直径の表記のための記号で、パイと呼ばれています。ブライダルで使う180φは6~7名、200φは8名がけを基準に考えることが多いです。流しテーブルは一間(いっけん)という90cm×180cmの大きさ、半間(はんけん)の90cm×90cmをはじめ様々なサイズがあります。

カトラリーの種類と取り扱い

カトラリー(cutlery)は刃物一般をさす英語で、ナイフ、フォーク、スプーン、バタースプレッダーなどのことです。これらはそれぞれテーブルの所定の位置にセットします。金製、銀製、ステンレス製など素材は様々です。カトラリーとバタークーラーなど、銀色の食器やトレー類は総称して「シルバー」とも呼ばれています。
セッティングする時は、カトラリーの汚れ・ゆがみをチェックし、刃先などお客様の口に入る部分には触れずに、必ず柄を持ちます。お客様に渡す際は、刃先やスプーンの先を自分に向け、柄の上方を持ってさし出します。ナイフ、フォークにはオードブル用、ミート用、フィッシュ用、フルーツ用などがあり、メニューにあったカトラリーの種類を確認してセットします。

グラスの種類と取り扱い

グラス類は非常に種類が多いので、ここではブライダルによく使われるグラスを中心に説明します。テーブルにあらかじめセットするのは、おもにシャンパングラス、白ワイングラス、赤ワイングラス、ゴブレット(水などのグラス)。シャンパングラスは2種類あり、口が細い「フルート型」と口が広く浅いタイプの「クープ型」があります。クープ型は演出のシャンパンタワーにも用いられます。
グラス類は柄の部分を持ち、お客様の口が当たる部分を触らないよう注意します。セッティングする際は、欠けたものがあれば取り替え、曇りや汚れがないかチェックします。割れやすいので、プレート類と同様に丁寧に扱いましょう。

グラスの種類

グラスの種類
名称 用途
シャンパングラス シャンパン用
白ワイングラス 白ワイン用。赤ワインよりやや小さい。赤・白ワインとも同じサイズの場合もあります。
赤ワイングラス 赤ワイン用
ゴブレット 水などのグラス。ビール、ソフトドリンクにも使われます。
タンブラー ビール、ソフトドリンク、ウイスキーの水割りなど。

ナプキンの折り方

ナプキンは、ディナー用、ランチ用などのサイズがあり、ホテルなどでは約50cm角のものが一般的です。あらかじめ折っておき、ショープレートの上にセットします。折り方は、シンプルな四つ折りから、バラ、王冠、扇、鶴、亀など様々な折り方があり、会場コーディネートに応じて選ばれます。ナプキンはテーブルクロスとセットでレンタルされていることが多く、あらかじめ折って納品されるケースもあります。ブライダル・コーディネーターが折ることもあるので、様々な折り方を覚えておいてもよいでしょう。

ナプキンの折り方・バラ

ナプキンの折り方バラ

①ナプキンを3つ折りにする。
②両端から中央に向かって谷折りに折る。
③左下と右下を谷折りに折る。
④真ん中に折る。
⑤両端を交差させてバラの形に整える。

ナプキンの折り方・扇

ナプキンの折り方扇

①両端を内側の真ん中まで折る。
②両端をさらに内側に折る。
③4分の1の幅になる。
④端から蛇腹状に折る。
⑤扇になるように形を整える。

ナプキンの折り方・王冠

ナプキンの折り方王冠

①ナプキンを半分に折る。
②両端を折る。
③裏返して半分に折る。
④左側の三角部分を上に広げる。
⑤右端を折り込んでから、上に折り上げる。
⑥左端を右側へ押し込む。
⑦底を広げて形を整える。

テーブルセッティング

テーブルセッティングは、フランス式、イギリス式などのセッティング方法があり、会場によって考え方は異なります。ここではブライダル業界で広く採用されているセッティングの一例を紹介します。

・ショープレートの上に折ったナプキンを置きます。
・ショープレートの右にスプーンとナイフ類を置きます。
※下図ではスープスプーンを一番右に配置しましたが、オードブルフォークを一番右に置くこともあります。
・ショープレートの左にフォーク類を置きます。
・パン皿とバタースプレッダーは、フォークの奥側に置きます。
・フルーツフォーク、フルーツナイフ、デザートスプーンはショープレートの奥に配置します。
・塩、コショウはカスターセットといい、一番奥に配置します。
・グラス類はョープレートの右奥に配置します。一列に並べる場合や、菱形、四角など、置き方は会場により異なります。

テーブルセッティングの一例

テーブルセッティング

①スープスプーン
②オードブルナイフ
③フィッシュナイフ
④ミートナイフ
⑤ショープレート
⑥ミートフォーク
⑦フィッシュフォーク
⑧オードブルフォーク
⑨バタースプレッダー
⑩パン皿
⑪テーブルナプキン
⑫シャンパングラス
⑬白ワイングラス
⑭赤ワイングラス
⑮ゴブレット(水などのグラス)
⑯デザートスプーン
⑰フルーツナイフ
⑱フルーツフォーク

セッティングはプレート位置に対して「外側から」「使う順に」並べるのが基本ですが、見た目の美しさを考慮して、スープスプーンは一番右に置くことが多いです。コーヒースプーンや、それよりひと回り小さいデミタススプーンは、コーヒーや紅茶とともにサービスされるのが一般的です。
席札とメニュー表は、様々な置き方があります。席札をフォークの奥、メニュー表をナプキンの前に立てかける場合や、席札をナプキンの手前に立てかけ、メニュー表をグラスの前に立てる場合など、テーブルコーディネートによりいろいろなパターンがあります。

当日のサービス業務

披露宴の料理・飲物のサービスはおもに宴会スタッフが担当しますが、ブライダル・コーディネーターが基本的なサービス方法を知っておくことは重要です。ここでは料飲サービスについて簡単に説明します。

料飲サービスの方法

料理の提供方法にはワゴンサービスで料理を仕上げ、サービスするフレンチスタイル、大皿(プラッター)にのせた料理をお客様に示してから盛りつけるロシアンスタイル、盛りつけられた料理プレートを客席へ運ぶアメリカンスタイル(プレートサービス)などがありますが、ブライダルではプレートサービスが広く採用されています。
 
お客様へのサービス方法は、料理をお客様の「左から出して左から下げ」、飲物を「右から注いで右から下げる」というルールにしていることが多いのですが、会場によってすべて右から、あるいはすべて左から行うなど、独自のルールを決めていることもあります。会場の形やテーブル位置、お客様の状況によってルール通りにサービスできない場合があるので、その場合は臨機応変に対処します。ポイントは料飲サービスのスタッフ全員が同じ動きをすることです。また、料飲サービスは上座から順に行うのが基本です。
 
料理をお客様の左からサービスする時は、右足を客席と客席の間に入れ、右手に持った料理プレートをお客様の前に静かに置きます。右足を入れるのは、左手に持ったプレートが隣のお客様に当たらないようにするためです。
ワインやビール、シャンパンなどをボトルでサービスする時は、ラベルを上にして瓶の下から3分の1ぐらいのところを上から押さえるように持ち、客席の右側からグラスへ静かに注ぎます。ラベルを上に向けるのは、どんな銘柄のドリンクかをお客様に示すためです。一定量を注いだら、瓶の口を右にひねりながら上に向け、滴がこぼれないよう気をつけながら手元に引きます。トーション(白い布)は、左手に持って瓶の口もとを軽く押さえます。

プレートの持ち方

サービスの現場では、プレートの持ち方に一定の決まりがあります。

プレートの持ち方

1枚の皿の持ち方

親指と付け根のふくらみを皿の縁にかける。指紋をつけないよう指先を外側に向ける。他の指は皿の下に当て、皿を支える。

2枚の皿の持ち方

①1枚めの皿は左手の人差し指、中指、薬指で支え、親指と小指を皿の表の縁に当てる。
②2枚めの皿は親指と小指で支えるようにしてのせる。

3枚の皿の持ち方

プレートの持ち方

①1枚めの皿は左手の親指を軽く皿の縁にかけ、底の凸部分を人差し指で支える。他の3本の指は自由にしておく。
②2枚めは親指の付け根のふくらみに挟む感じで1枚めの下に添え、皿の下を中指、薬指、小指で支える。
③3枚めの皿をのせ、手首と2枚目の皿の縁で支える。3枚の皿がすべて地面と平行になるように保って運ぶ。

皿を下げる時の持ち方

皿を下げる時の持ち方

プレートを下げる時は、前ページの3枚の持ち方の要領で行います。
1枚目の皿とカトラリーを持ったら、フォークを置いて柄を親指で押さえ、フォークに十字にさすようにナイフを挟み込みます。こうすることで、カトラリーが落ちるのを防ぎます。2枚目の皿を持ち、ナイフとフォークを同様に1枚目の皿のフォークに挟み込みます。残り物がある時は2枚目の皿に残しておきます。3枚目の皿を持ったら、残り物を2枚目の皿に移し、ナイフとフォークを1枚目の皿に挟み込みます。4枚目以降の皿も同様にして下げます。
この作業は、すべてお客様から1歩下がって目立たないように行います。音を立てないこと、スムーズに行うことが基本的なサービスマナーです。

まとめ

今回は『テーブルセッティング』の基礎について書きました。コーディネーターが直接テーブルセッティングをすることはあまりありませんが、知識を学んでおくことは大切です。プレートの種類、カトラリーの種類、グラスの種類と取扱い方、ナプキンの折り方などは通常も使えるマナーになりますので、ぜひ覚えてみてください。

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Wedding Me Career編集部
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