このブライダル基礎講座は、ブライダル業界専門の転職支援サービス「ウェディングミーキャリア」がお届けするブライダル業界で働く人なら知っておきたい基礎知識をまとめたWEBコンテンツ。
ブライダル業界の全体を知り、より実践に近づく業務を知ることができる内容をお送りします。

引出物・引菓子の手配

引出物・引菓子は、個数とセット数、熨斗(のし)のかけ方、熨斗の名前など確認事項が多く、スケジュールに則った確実な手配が求められます。持ち込みの場合も、数量や内容を適宜確認し、搬入日を設定します。

引出物・引菓子の手配スケジュール

一般に、下記のような手順とスケジュールで依頼し、前日までに準備します。

結婚式・披露宴当日の約1か月半前 ギフト会社への手配

・引出物と引菓子の種類と個数、セット数を決定し、ギフト会社に手配します。本人との間柄、招待客の年齢などに応じ、2～3のセットパターンで贈り分けることが多いです。

結婚式・披露宴当日の約3週間前 個数・セット数の確認

・個数やセット数を確認し、変更があればギフト会社に手配します。
・熨斗のかけ方、表書き、水引などを決定します。

結婚式・披露宴当日の約1週間前～5日前 数量の確定

・最終的な個数・セット数、紙袋の数を確認し、変更があれば手配して数量を確定させます。

結婚式・披露宴当日の前日・前々日 納品

・納品されたら品物の種類と個数やセット数、熨斗の名前、水引を必ず確認し、所定の場所に保管します。間違いがあれば早急に再度納入の手配をします。

表書きと熨斗(のし)

表書きは「寿」とし、引出物はその下に両家の姓、引菓子には新郎新婦の名を、向かって右側に新郎、左側に新婦の並びで記します。水引は金銀か紅白の結び切りで、印刷の場合は紅白の十本の結び切りのものを使用することが多いです。地方やしきたりにより、新婦の名だけを記す品物や引菓子もあります。

記録・記念アイテムの手配

記念写真や映像撮影は、会場内のテナントか外部の提携会社の専門スタッフへ依頼することが多いです。カップルの希望により持ち込みとなるケースもありますが、電源などの必要な設備についてわからない場合もあるので、慎重な対応が求められます。ブライダル・コーディネーターはブライダルテーマや当日の進行、ふたりの希望を細かく伝え、連絡ミスが起こらないよう注意して手配します。

写真

スタジオで撮影する写真には、「新郎新婦の記念写真」「新郎新婦お色直し写真」「親族集合写真」「家族写真」などがあり、お客様の希望に応じて写真室を手配し、進行表に反映させます。以下に、写真撮影と手配のポイントを列記します。

新郎新婦の記念写真、お色直し写真

挙式衣装(ウエディングドレス、白無垢など)での記念撮影は挙式前に、お色直し写真はお色直し後の10～15分程度で撮影します。挙式・披露宴進行表に従ってスタジオへ入る時間を打ち合せておきましょう。写真撮影では新郎が向かって左、新婦は右に並びます。撮影時は、ヘアメイク、ドレスや和装の裾のライン、小物の持ち方、位置などに注意します。

親族集合写真

当日の進行にもよりますが、挙式前後に撮影することが多いです。親族の並びは向かって左が新郎側親族、右が新婦側親族になります。媒酌人がいる場合は、新郎の左隣に媒酌人、その隣に新郎の父親、母親、新婦の右隣に媒酌人夫人、その隣に新婦の父親、母親の順で並びます。
親族の人数が多い場合、会場が広い場合にはスタジオへの誘導に時間がかかることがあるため、当日は写真撮影があることをあらかじめ親族へ知らせておきましょう。ガーデンなど天候に左右される場所で撮影する場合は、雨天時の撮影場所を確保し、椅子などを準備しておきます。

写真のサイズと種類

新聞紙の片面を基本の大きさ(全紙)とし、全紙をいくつの紙片に分けるかによってプリントサイズが決められています。全紙の6分の1サイズを「六つ切り(むつぎり)」、4分の1サイズを「四つ切り」といいます。全紙・半切は額装、またはパネルにして納品します。写真の実寸は写真店により若干異なるため注意しましょう。

種類：サイズ
全紙(ぜんし)：約46cm×56cm
半切(はんせつ)：約35cm×43cm
四つ切り：約25cm×30cm
六つ切り：約20cm×25cm
八つ切り：約16cm×22cm
キャビネ：約13cm×18cm
サービス版：19cmx13cm

親族集合写真の並び方の一例

家族写真

両家合同で撮影する場合と、それぞれの家族ごとに撮影する場合があります。進行上どのタイミングで撮影するかを検討し、写真スタッフと時間を調整します。

スナップ写真

撮影イメージや撮影しておくべき人や物、演出など、新郎新婦のこだわりポイントをヒアリングし、カメラマンに明確に伝えておきます。進行表を必ず渡し、撮影もれがないよう手配します。また、映像撮影のカメラに映り込まないよう調整するのもブライダル・コーディネーターの役割です。アルバムにする場合は、使用する写真と点数、デザイン、レイアウトの順序、アルバムの種類など、新郎新婦の要望を的確に伝えましょう。

ロケーションフォト、前撮り写真

撮影する場所、衣装の種類と点数などをカメラマンに伝え、撮影日時、撮影カット数を伝えます。衣装、ヘアメイク担当、フローリストへ連絡し、衣装や髪(かつら)、小物類、アクセサリー、ブーケ・ブートニアなどを手配します。アクセサリーや小物をお客様が持参する場合は、その旨を担当者に伝え、撮影日が近づいたらお客様に持参するよう促します。ロケーションフォトは天候・日照に左右されやすいため、撮影時間の設定に注意し、雨天の場合の代替案を考えておく必要があります。

映像撮影

映像撮影は多くの場合、当日の撮影と編集作業、DVDなどの記録メディアをセットしたパッケージ商品となっています。撮影箇所は希望により様々ですが、ウェルカムパーティ、ブライズルームでの支度姿、親族控室の風景、挙式・披露宴風景、アイテム類、エントランス装飾などで、挙式・披露宴とも式次第、進行に則って撮影を行っていきます。特定の人物や必ず撮影したい箇所は、お客様に事前に確認しておきましょう。
 
当日の混乱を避けるため、進行表にもとづいた詳細な打合せが必要です。テーマによっては調理シーンやスタッフのセッティング風景などの撮影も必要になるため、その場合は担当部署に連絡をしておきます。挙式時の写真や映像を披露宴でプロジェクター上映するケースも増えているので、当日の映像担当スタッフと手順を打ち合せ、進行を管理します。

まとめ

今回は『引出物・引菓子の手配』と『記録アイテムや記念アイテムの手配』について書きました。『引出物・引菓子の手配』は大切なゲストに来てくれた感謝の気持ちを表す大切な贈り物です。『記録アイテムや記念アイテムの手配』は二度とない結婚式の日を記録してくれる大事なアイテムとなります。どちらもミスや失敗すると取り返しのつかないものとなりますので、手配の際は慎重に、何度も確認し間違えのないように注意しましょう。

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