ウェディングプランナーは非常に人気のある職業ですが、ハードワーク、精神的なプレッシャーが大きい、土日出勤必須の勤務形態、など労働環境がかなり特殊ということもあり、離職率は意外と高いのが実情です。他の会社でウエディングプランナーとして働く方もいれば、異業種に転職したいという方も多いのですが、それぞれでどんな転職理由を伝えればよいのか、悩んでしまう人も多いのではないでしょうか。そこで、今回の記事ではウエディングプランーの転職理由についてまとめました。転職しようか迷っている方、転職活動中でどのように転職理由を話していいか迷っている方にとって、参考になればと思います。
目次
転職理由と志望動機の違い
面接をしていると、この2つを混同して話される方がよくいるのですが、転職理由は前の会社を辞めた理由、志望動機は応募した理由なので、聞かれたときに応えるべきことは違います。
例えば、転職理由とは元カレや元カノと別れた(別れたい)理由、志望動機は新しい彼または彼女と付き合いたい理由。違いますよね?ただ、前の人が浮気していたのであれば新しい人は誠実な人がいいと思うでしょうし、前の人が借金していたらお金に堅実な人がいいと思うように、この2つはリンクしていることがほとんどです。
- 人間関係に悩んで転職を決めたのであれば人間関係が穏やかな会社がいいから離職率は重要視する
- 残業代が出ず休日が少なく体力的にしんどかったから転職するのであれば労働環境が安定した会社がいいから年間休日数や有給取得率を重要視する
このように書くと当たり前に見えるのですが、この違いがよく理解できていなくてごちゃ混ぜで面接でお話しされている方が意外と多いので、転職活動をする際はまずここを整理するところから始めてみましょう。
面接時に転職理由をしっかり伝えることが大切
面接で聞かれることは会社によって様々ですが、転職理由はまず間違いなく聞かれる鉄板項目の1つです。採用担当者の立場からすると、この候補者は前職なぜ辞めたのか(辞めようとしているのか)がわからなと、採用してもまた辞めるかもしれないと思うからです。企業の採用活動は業務を回せるだけの人数を確保することと同じくらい、採用した人がきちんと定着してくれるかも重要だと考えています。また、そもそも面接は候補者を落とすために行っているわけではなくお互いのマッチングを図るために行われているわけですから、転職理由をしっかりと確認することで採用後に同じことが起こらないか、じっくり見極めたいのです。
候補者側の立場からすると、この転職理由を適当に話してしまうと(インターネットに例文集などはたくさんありますが、それをコピペしてしまうなど)、選考の通過率を自ら下げてしまうだけではなく、もし入社できても前職の転職理由が解決できない可能性が上がってしまいます。そうならないためにも、転職理由をしっかりと考えて自分の言葉で話せるようになっておくことが重要です。
ウエディングプランナーに多い転職理由
なぜウエディングプランナーから転職しようと思ったのか、代表的な理由としては以下のようなものがあります。
人間関係がうまくいかない
ブライダル業界は女性が多い職場なので特有のやりにくさは存在するようです(もちろん、すべての会場でそういうわけではありません。一部です)。大手企業であれば他のエリアの会場や他部署への異動することでの解決も可能ですが、規模が小さい会社の場合だとそうもいかないので、最終的に転職する、というケースが多いです。
仕事の将来性に期待できない
ブライダル業界は率直に言うと成熟産業であり、市場の縮小がすでに始まっています。この流れは今後も続いていくことが予想され、年々競争環境は厳しくなっていくと思います。その中で働くウエディングプランナーも、辛抱強く続けていればバラ色の将来が約束されているわけではないので、将来性に期待できず転職を検討する人も多いです。ちなみに、現状と将来性については以下の記事にまとめてありますのでこちらも併せてご覧ください。
https://ichimarke.net/weddingplanner-future
仕事のプレッシャーがきつい
大きく分けると「営業のプレッシャー」と「失敗が許されないプレッシャー」に分けれます。
営業のプレッシャーとは、成約や売上などの目標達成へのプレッシャーです(会社のよってはノルマとも呼ばれます)。ブライダル業界に限った話ではないですが、営業として働く人には高い目標を設定されますので、未達の状態が続くと先輩や上司からキツく言われ続けることになり、精神的に追い詰められてしまいます。
失敗が許されないプレッシャーとは、新郎新婦の一生に一度の大イベントで自分のミスによってその舞台を台無しにしてはいけない、という緊張です。アイテムの手配や受発注の確認など結婚式準備のこと、当日の設営や進行の確認など結婚式そのものの運営のこと、請求書や入金確認などのお金のこと、など、膨大な量のことを精緻にこなしていかなければなりません。個人の適性によるところも大きいですが、こういった細かいことを気にして動かなければいけない状況をプレッシャーに感じる方もいます。
このようにウェディングプランナーは2つの大きなプレッシャーを常に抱えながら仕事をしなければいけませんので、営業で成果が残せなかったりミスが続いてしまったりすると、転職を考えることも多くなってしまいます。
土日出勤必須かつ労働時間が長い
ウエディングプランナーの土日出勤は必須です。また、繁忙期には連日のように残業しなければならず、それも終電が過ぎて深夜にタクシーで帰宅しなければならないといったケースも珍しくありません。さらに、クレーム対応や緊急の顧客からの問合せなどがあると休日出勤もしなければならないといった問題も出てきます。こうした環境に耐えられずに転職を決めるケースが非常に多いのです。
給料が安い
最近は会社に勤めるだけではなくフリーランス、業務委託など働き方の自由度も広がってきてはいるものの、会社に雇用されているウエディングプランナーであれば、平均年収で見ると300~400万円が相場となるでしょう。式場のリーダーやマネージャ、支配人といった役職になると平均年収は450~500万になると思います。他の業界の平均年収と比べると、高くもなく低くもなくという水準ですが、体力的にも精神t系にもハードということと合わせてとらえると、給料が安いということを理由に転職を検討している方も多いです。ちなみに、ブライダル業界で高年収になるために必要なことは以下の記事に詳細をまとめてありますのでご覧ください。
https://ichimarke.net/weddingplanner-high-income
クレーム対応の精神的な辛さ
結婚式は、プランナーにとっては1年に何組も担当するお仕事、ですが、新郎新婦に取っては一生に一度の晴れ舞台です。また、平均費用は約350万円と個人が一括で支払う金額としては相当高額な商品です。そのため、ちょっとしたミスでも大きなクレームになりやすく、また新郎新婦だけではなく親族やゲストからのクレームを受けることも多いため、その精神的な重圧に耐えられず、転職を考える人も多いです。
結婚、出産がきっかけになって
結婚や出産が直接的な理由ではないかもしれませんが、これらをきっかけにここまで書いたような理由が顕在化して転職することを決める、ということが多いです。
キャリアアップ、スキルアップのため
ここまではネガティブな理由ばかりでしたが、ポジティブな理由で転職を考える人もいます。自分のキャリアのために職場を変えるケースです。ウェディングプランナーの仕事は働く職場によって業務内容にかなり異なり、
- ホテルとゲストハウス、専門式場、レストランなど会場タイプによる違い、
- 結婚式場の所属とウエディングプロデュース会社の違い
などによって、求められる仕事が違ってきますし、職場によっては結婚式とは直接かかわりのない業務を担当することもあります。今後のキャリアを考え、もっと自分を磨くことができる職場を求めて転職するケースも少なくないのです。
ウエディングプランナーの転職先と転職理由の関係性
ここまで、よくある転職理由を簡単に紹介しました。最後に転職先に選ぶ業界別にまとめてみます。
ブライダル業界の別の会社に転職する
- 人間関係で悩んでいた
- 残業代が支払われない
- 離職率が異常に高くて業務過多
など、所属している企業や職場環境に起因する転職理由の場合は、別の会社のウエディングプランナー職に転職するケースが多いです。これまでの経験を直接活かせることがメリットですが、応募先の会社をしっかり選ばないともともと転職しようとした理由が解決しないので注意が必要です。
ブライダル業界以外の異業種に転職する
- 土日休みの職場が希望
- 給料が上がらないことが不満
- ノルマのない仕事がいい
など、ウエディングプランナーの職業に起因する転職理由の場合は、異業種への転職を希望するケースが多いです。職業ごと変えることになるので転職理由の根本的な課題は解決できることが多いですが、これまでの経験を直接活かせるわけではないので転職直後の業務へのキャッチアップに苦労することがあるというのが難しいポイントです。
まとめ
ウエディングプランナーの転職理由について、転職活動時の重要性とよくある例をまとめました。どちらかと言えばネガティブなまとめになってしまいましたが、こういった転職理由をいかに前向きに変換して面接で話せるかが合否のポイントにもなるので、まずなぜ自分は転職しようと思ったのか、転職して何がやりたいのか、と言うことをしっかり話せるようになってくださいね。