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結婚式場の支配人経験者が転職するときに意識すべきポイント

公開日 2019/05/21
結婚式場の支配人経験者が転職

副業解禁や働き方改革などの影響もあり、転職する人も中途採用をする企業も以前に比べて珍しくなくなってきています。つい先日、経団連の会長が終身雇用制度を維持していくことの難しさについて触れたことも記憶に新しいですよね。もともとブライダル業界は比較的人材の流動性も高いので、転職に対してそんなに抵抗を持たない方も多いでしょう。ただ、いざ自分が転職するのであれば希望する条件や環境、職務内容をしっかりかなえた転職をしたいですよね。そこで、今回の記事では結婚式場の支配人が転職するときに意識したいポイントをまとめました。ぜひ参考にしてみてください。

結婚式場支配人の一般的な業務

会社の規模やソフトコンテンツをどの程度内製化しているかによっても異なりますが、総じていえば次のような業務を担っていることが多いです。

①結婚式場全体の業績管理

婚礼の売上や利益、KPI(施行組数・成約数・成約率・単価・売上・原価・販管費など)を可視化・把握し、データをもとに分析、改善施策を行う業務。月次、四半期、半期、通年の目標を達成するために、事実をもとに各セクションへアクションの指示を行います。会場によって利益まで責任を持つのか、売上までなのかは異なるようです。

②各セクションのマネジメント業務(内製部門のマネジメント、パートナーとの折衝)

ウェディングプランナー(新規、打合せ)、シェフ、サービス、ドレススタッフ、フローリスト、フォトグラファーなど、結婚式のコンテンツに関わるすべてのセクションのメンバーのマネジメント業務。内製化している場合は社員マネジメントになり、外注している場合は各社の担当者や責任者との交渉やディレクションなどが実務となります。

③新規や打合せなど営業実務

会場所属人数が数十名を超えるような多バンケの会場だと支配人自らお客様の前に立つことはほぼないですが、1バンケットで10名~20名程度の規模の会場の場合は支配人が新規接客出ることもあります。会場の数字を自ら作る、という感じですね。

④マーケティング・集客業務

これも会社の方針や組織体によって異なりますが、結婚式場の集客業務も担うことが多いでしょう。集客は結婚式場の業績に直結する超重要なKPIだからです。具体的には広告出稿バランスの決定、ブライダルフェアやイベントの企画、来館・成約特典の企画、ウェブ・雑誌媒体の運用やディレクション、エージェントの担当者への訪問などの業務です。規模の大きな会社であれば複数の会場の集客施策を横断的に行うマーケ部門を設けている会社も多いですが、それでも会場スタッフと連携を取って各施策を進めることが多いでしょう。

⑤クレーム対応

お客様から頂戴してしまったクレーム対応も重要な業務の1つです。結婚式場で最も責任のある立場なので、最終的に支配人がどのように対するかでお客様への印象が決まります。顧客満足度に大きく影響することはもちろん、成約キャンセル率や返金額、口コミサイトへの悪影響など業績に直結する部分もあるので重要度の高い業務です。

⑥スタッフの教育や採用活動

プランナーや各セクションのスタッフに対して直接研修をするということは多くはないですが(会場規模によります)、各部門のマネージャなどから状況をヒアリングし、必要に応じて育成計画のディレクションを行います。また、プランナーなど現場職の採用活動も担うことが多く、書類選考や面接などを行うことが多いです。会社によっては求人票の作成や出稿する媒体選定まで行うこともあるでしょう。

⑦経営層とのコミュニケーション・ミーティング

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月次や四半期ごとに業績や施策の振り返り、事業方針についてのディスカッションなど経営層とのコミュニケーションを持つことが多いです。支配人会議、のような感じです。そこで決まった方針やルールを会場に戻ってスタッフに伝えることも業務の1つです。

結婚式場支配人が担う責任と評価基準

ここまで書いたような業務を行う支配人ですが、基本的にそれに伴い以下のような責任(評価基準)を担っていることが多いです。

  1. 結婚式場の売上・成約数など業績責任
  2. 婚礼ユーザーの顧客満足度
  3. 結婚式場で働くスタッフの労務管理(残業時間管理など)
  4. 社員の定着率・採用数

この中でも特に、事業所の業績責任のウェイトは大きいでしょう。営業部門のマネジメントや実務、集客実務などはすべて業績につながるのでその指標で評価されることがほとんどです。会社によっては90%以上が業績で評価ということもあるでしょう。ここは難しいところですが、ブライダル業界の場合は基本的にリピートがないので刈り取り系の発想で売上をとにかく積上げ続けることが重要になります。そのため、長期的な施策というよりは短期的にどのように持ち上げるか、という視点で評価基準も設計されていることが多いですね。

結婚式場の支配人が身に着けているスキル

さて、上記のような業務を行い、先ほどのような評価基準のもとでキャリアを積んできた支配人は、どのようなスキルを身に着けていることが多いでしょうか。代表的なスキルについて以下にまとめていきます。

営業力

結婚式場支配人は異業種からの転職者を除き、プランナー→マネージャ→支配人、とキャリアアップして任命されることが多いので、もともと経験していたので営業力を身に着けている人が多いと思います。会場の業績目標達成にコミットしている以上、最後の手段では自分で業績を作りに行くことも求められるので(代打オレ、みたいな)、営業力は重要なスキルの1つです。

マネジメント力

支配人には必須スキルです。ブライダルの支配人は他業界の管理職と比べると関係者のバリエーションが非常に多いです。プランナーだけマネジメントしておけばいい(単一職という意味)わけではなく、ドレスやフラワー、サービス、シェフなど異なる職種のメンバーもいますし、司会や映像スタッフなど外部の異なる職種のパートナーへの間接的なマネジメントも求められます。人数も多く、職種も多いので、しっかりと経験を積んだ支配人であれば高いマネジメント力を身に着けていることが多いでしょう。

マーケティング力

集客の実務を担っていれば、集客に必要な施策は何か?どうやって仮説を立てて結果からどう分析するか?といったマーケティングの理解やスキルを持っていることが多いでしょう。ただ、結婚式場集客の場合だと具体的な業務経験から体系的なマーケティングの理解するには、実務経験にプラスして抽象化して物事をとらえるスキルが必要なので、そのあたりを意識しながら実務を経験している人はより高いスキルを持っていると思います。

会計知識

結婚式場の業績責任は売上だけというわけではなく原価管理や販管費管理まで、PL(損益計算書)全体の責任を担っていることが多いでしょう。現状を正しく把握し目標を達成するための的確な施策を打つためには、ベースとなる会計知識が必須になります。しっかり経験を積んだ支配人であれば自分で事業計画を作れるようになっているはずなので、会計知識をスキルとして身に着けている人も多いでしょう。

数字に対する理解・高い意識

異なる職種の多くのメンバー1つの方向に向かせること、マネジメントするためには、事実を正確に伝えること、事実に基づく施策を展開していくことが重要です。最も共通認識を作りやすいのが「数字」です。どの数字がどうなるとどのように目標達成できるのか、現状がどのようになっているのか、などを正しく理解しスタッフに伝えるためには支配人自身が数字に強くなければいけません。高い意識で数字に対して向き合ってきた支配人はここのスキルが高いことが多いですね。

幅広いオペレーション理解

結婚式のオペレーションは多岐にわたります。当日のオペレーションだけでなく、新規接客と施行の導線管理から打合せのフローまで、多くの関係者が同時に同じ場所にいることをどのように最適に回していくかが業務効率にとっても顧客満足にとっても大切です。オペレーションをスムーズに運用できる人はしっかりとオペレーションを理解していることがほとんどです。

目標達成に対する高いコミットメント

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多くのメンバーをマネジメントして1つの目標達成を目指すためには、当然ですが自分自身が「何としてでもその目標を達成する」と強く思っていることが重要です。「会社が言うからさ、まぁ頑張ろうよ」のようなマネジメントしかできない支配人にスタッフはついていかないですしね。

結婚式場の支配人経験者が転職するときのポイント

ここまで、キャリアとスキルについて簡単にまとめました。前置きがだいぶ長くなってしまいましたが、支配人経験者が転職するとしたらどのようなことを最後に意識すべきかをまとめていきます。

ブライダル業界内への転職

他の会社(式場)の支配人やマネージャ、幹部候補として転職をするケースです。支配人経験者が転職する場合はこの場合が最も多いのではないかと思います。

このような転職をする方の理由の多くは、会場内の人間関係に課題があり自分では解決できない、会社の方針に納得できない、業績不振でお店を閉じることになった(売却することになった)、でもブライダル仕事は好きで年収や役職などの条件は維持したい、ということが多いですね。

これまでの経験と同じブライダル業界へ転職するメリットは、業界知識はそのまま使えるので転職先からも即戦力として期待されるし自分のキャッチアップスピードも早い、給与や役職などの条件を維持したまま転職できるケースが多いことなどがあります。

一方デメリットは、仕事自体に大きな変化がない(これはいい面でもあり悪い面でもある)、即戦力として期待される分結果を出せないと社内の立場が危なくなりやすい、などが挙げられます。

転職する際に注意すべきポイントは以下のような点があります。

  • 規模によって担う責任や業務範囲が大きく異なることがあるので、面接時に具体的な内容まで深く確認する
  • どこまでのセクションを内製しているかどうかを確認する(マネジメント範囲が変わってきます)
  • 支配人ポジションの求人は公開されていることがほとんどないので、自力で探すのが難しいので転職エージェントを使わないとたどり着けないことがほとんど。

異業界(異業種)への転職

支配人経験者がブライダル以外の業界へ転職する場合は、人材紹介や不動産などライフイベントに関わる業界や、家具や車などリピートのあまり発生しない高額商品を販売する業界の営業職や管理職への転職が多いと思います。

異業界への転職を検討する方の理由の多くは、ブライダル業界の仕事を一定やり切った、他の業界で新しいチャレンジをしたい、もっといい条件で働きたい(ブライダルの年収水準は全業種の中で高い方ではないので)などということが多いですね。

ブライダル業界以外へ転職するメリットは、キャリアの幅が広がる、ブライダル業界で身に着けたことを異業種でも活かすことで自分のスキルや知識を抽象化して高めることができる、年収が上がるケースも多い(ベースとなる給与水準がブライダルよりも高い場合)などがあります。

一方デメリットは、業界が変わるのでキャッチアップに相当な勉強や努力が必要、職場環境が大きく変わることになるので(休日やシステムなどの環境含めすべて)慣れるまでは精神的に大変であることが多い、などが挙げられます。

ブライダル業界以外へ転職する際に注意すべきポイントは以下のような点があります。

  • 面接に行く前にその会社のIR資料や業界構造、ビジネスモデルについて勉強してから行くことが重要(そうしないと会話にならない可能性あり)
  • 面接時にブライダルでの実績をそのまま話しても伝わらないことも多いので、抽象化して伝えることが必要になる
  • 知らない業界の求人を自分で探すのはかなり難しいので、転職エージェントを使ったほうが早いことが多い
  • 内定後に具体的にどんな業務なのか、何がミッションなのかは必ず確認するようにする

ブライダル業界内の転職をするか、他の業界に行くか、どちらが正解ということはないですが、転職後のキャリアに大きな違いがあるので、その違いを理解してから動き出すことが大切と言えるでしょう。

支配人経験者の転職のポイントまとめ

結婚式場の支配人経験者の転職について、概要と注意すべきポイントをまとめました。日本の結婚式場数で考えれば、現役の支配人は数千人程度でしょうし、それでけ希少な人材だと言えます。転職を検討するときは自分がこれまでどんな業務を担ってきたのか、責任を担ってきたのか、それによってどんなスキルを身に着けてきたか、それをどのように活かしたいかを、順序だてて整理し、それが最もフィットして自分のやりたいこととマッチする企業を探していきましょう。

Wedding Me Career

Wedding Me Career編集部
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