今はまだどんなに多くないフリープランナーも今後増加していくことが予想されます。さらに、それと並行してブライダル業界全体の縮小も進むので、すでにフリープランナーとして活躍されている方にとっても、これから目指している方にとっても「今より厳しい競争環境に突入していくことになる」と共通して言えます。そこで、今回の記事では、これからのブライダル業界でフリーランスプランナーとして生き残るために必要なことをまとめました。幅広く網羅的にまとめることを意識して書きましたので、参考にしてもらえる嬉しいです。
目次
- 1マインドセットの観点
- 1.1事業をしているという自覚と常に危機感を持つ
- 1.2困ったらまず節約、という思考を捨てる
- 1.3フリーランスになった後も勉強し続ける癖をつける
- 1.4人脈を築くなら、なるべくレベルの高い人と関わることを心がける
- 1.5みんながやっていることと同じことをばかりをやろうとしない
- 1.6初めてのこと、難しいことはよく分からないから後回しにする癖をやめる
- 2本業スキルの観点
- 2.1プロデューススキル・技術を磨き続ける
- 2.2自分にしかできないこと、自分が一番得意とすること=差別化を明確にする
- 2.3競合やトレンドを知るための時間を確保する
- 3本業以外で必要になるスキルの観点
- 3.1ブライダル業界の他業種のことも詳しく知る
- 3.2事業運営にかかわるお金の知識を覚える
- 3.3ウェブマーケティングを覚えて実践する
- 4時間の使い方の観点
- 4.1常に業務を効率化できる方法はないか意識する癖をつける
- 4.2やらなければならない苦手な作業はアウトソーシングする
- 5その他の観点
- 5.1売上はできるだけ分散させ、1つのところに頼り切りにならないようにする
- 5.2最初の売上が入るまで生きていける貯金または最低限生きていける売上を得る方法を作る
- 5.3体調管理をこれまで以上に徹底する
- 5.4客観的に自分を見られるようになる
- 6まとめ
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マインドセットの観点
事業をしているという自覚と常に危機感を持つ
会社員と大きな違いは自分の判断次第ですべてを決めることができることです。たとえそれが個人の活動であっても、それは紛れもない事業であり、利益の確保と継続が必要になります。企業の運営する事業と違い個人事業は1つの歯車が狂うだけで状況が大きく変わることもあります。そのため、事業責任者である自覚と現状に甘んじることなく常に危機感を持つことが必要です。
困ったらまず節約、という思考を捨てる
利益を残すためには、売上を増やすかコストを減らすかが必要です。給料が固定されている家計であれば困ったら節約して乗り切る、という手段も取れますが、フリーランスの場合はそれで売上まで落ちるとどんどん悪循環に陥っていきます。もちろん何でもかんでもお金使えばいいわけではないのですが、今月厳しいなと思ったときに「どうやって売上を増やすか」と「コストをどうやって抑えるか」の両方をバランスよく考えるような癖をつけるようにしましょう。
フリーランスになった後も勉強し続ける癖をつける
会社の所属を外れると、会社で用意する研修も先輩や上司からのレクチャーもなくなるので、自分で勉強する以外に知識やスキルを習得する機会がなくなります。ブライダルに限らず、既存の技術やスキル、知識は、時間とともに必ず陳腐化していきます。今自信がある武器を持っていても、常に新しいものを取り入れられるように勉強することが必要です。
人脈を築くなら、なるべくレベルの高い人と関わることを心がける
フリーランスになると基本的に取引先とお客様とだけと関われば事業を運営することができます。先輩も後輩も、上司も部下も最初はいません。人脈つくりは必要ですが、レベルの高い人に絞って形成していくことを目指すべきだと思います。詳しくは以下の記事をご覧ください。
http://ichimarke.net/freelance-personal-connection
みんながやっていることと同じことをばかりをやろうとしない
フリープランナーもかなり増えてきています。同業の人が新しいことを取り入れていたりすると「ああ、自分もやったほうがいいのかな…」と不安になってすぐにやろうとする人もいますが、同じことをやっても多くの場合同じところにしか行けません。むしろ後発の分だけ遅れた状態です。新郎新婦に選ばれるプランナーになるためには「〇〇と言えばこのプランナー!」と思われるような尖った特徴(=差別化)が必要です。不安になる気持ちを抑えて、自分に本当に必要なことは何かを常に考えるようにしましょう。
初めてのこと、難しいことはよく分からないから後回しにする癖をやめる
フリーランスになると初めてのことだらけです。もともとやっていたウェディングプロデュースも、式場でやっていた時と比べて環境や条件も違うので、初めてで戸惑うことも多いと思います。そういう時に、わからないから先にわかることをやろう、難しいからまずはしっかり勉強してからやろう、とかしているとあっという間に時間が無くなっていきます。わからないこと、初めてのこと、難しいこととぶつかったときに、まずはやってみるという行動力・実践力を意識して取り組むようことが必要です。
本業スキルの観点
プロデューススキル・技術を磨き続ける
当たり前ですが、本業スキルを磨き続けることは絶対に必要です。ただでさえ、少しずつ新郎新婦との年齢差も広がっていき感覚のズレも大きくなっていきますし、競合は増え、新郎新婦は減っていく厳しい環境です。これまでうまくいっていたことが急にうまくいかなくなることもありますし、逆も起こります。フリーランスになったから自由で安定ではなく、自分自身も成長し続けることが必要です。
自分にしかできないこと、自分が一番得意とすること=差別化を明確にする
スキルを磨くのと並行して重要なのが差別化を意識することです。フリーランスの場合、明確な特徴がないと新郎新婦に選んでもらえません。特に結婚式はリピート商材ではないので、結婚式に超詳しい新郎新婦はほとんどいません。わかりやすく明確なポイントを自分で腹落ちするまでじっくりと考え、それを突き詰めるために必要な技術を身に着けていくべきだと思います。
競合やトレンドを知るための時間を確保する
フリーランスになると自由な時間が増えると思われがちですが、それ以上にやらなければいけないタスクが増えるので、最初は意外と時間の確保が難しいのが実情です。そのため、最初からこの時間は情報収集に充てる時間、と決めておかないとズルズルとできずに終わってしまいます。本業スキルに活かすためにも自分に合ったタイムマネジメントを早めに確立しましょう。
本業以外で必要になるスキルの観点
ブライダル業界の他業種のことも詳しく知る
この記事を読まれている方がプランナーなのかフォトグラファーなのかは分からないですが、自分の専門とする領域以外のこともしっかり勉強して理解しておくことが必要です。少なくとも業務レベルで普通に会話できるレベルまでは知っておくべきでしょう。結婚式場で働いていた時とは違い、例えパートナーとお客様のやり取りでトラブルがあったとしても、その責任は自分で取らなければいけないケースも多くなります。どういう人や会社と取引するのか、どういうオペレーションで動いているのか、それによって自分はどういう動き方をするべきかを精度高く決めていくためにも、ウェディングに関わる業種は必ず押さえておきましょう。
事業運営にかかわるお金の知識を覚える
働いてた分だけ給料をもらえる会社員とは違い、フリーランスは売上が収入に直結します。売上とコスト、キャッシュなど基本的なことはきちんと勉強すべきですし、PLとキャッシュフロー計算書は理解すべきだと思います。それを知ったうえで、価格はいくらで設定すべきか、仕入れの歩率はいくらまで設定しても大丈夫なのか、入金と支払いタイミングはいつにするのかなどを組み合わせて事業を運営していかないとすぐにうまく回らなくなるので、重要度MAXととらえて最優先で勉強することが必要です。
http://ichimarke.net/freelance-cash-knowledge
ウェブマーケティングを覚えて実践する
今の時代のフリーランスの集客にウェブは不可欠です。ホームページ、Facebook、Instagram、TwitterなどのSNSは最低限必要、ブログを使ったSEOや多少の広告運用までできることが理想です。ウェブ集客がうまくいっているフリーランスは本当に強いので、これも優先度高く勉強したほうがいいでしょう。
http://ichimarke.net/freelance-marketing-importance
時間の使い方の観点
常に業務を効率化できる方法はないか意識する癖をつける
フリーランスになると自分1人でできることが限られているということを実感するシーンが多く、さらに納期に迫れれてやらなければやらなきゃいけない仕事がたくさんあって全然終わらない…、ということも多いです。独立すると自由な時間が持てると思われがちですが、暇なフリーランスは逆にやばい状態であることがほとんどなので、うまくいくほど時間が足りなさに苦しむことが多くなっていくでしょう。そのため、常に業務効率を意識して仕事に取り組む姿勢が大切になります。
やらなければならない苦手な作業はアウトソーシングする
ただ、すべてを自分でやらなければいけない、と思う必要はありません。自分でやる必要のない仕事はアウトソースしましょう。もちろん単に丸投げするのではなく、依頼背景や目的・期待することをしっかり伝えなければうまく進まないので、アウトソースする業務に対する最低限の理解は必要です(例えば経理業務を依頼するのでも、経理のことを全く分かっていない状態で外部に発注するのは危険です)。業務効率化については以下の記事でまとめていますのでご覧ください。
http://ichimarke.net/freelance-business-efficiency
その他の観点
売上はできるだけ分散させ、1つのところに頼り切りにならないようにする
これは理想ですが、売上の取引先は複数持っていたほうがいいです。特定の会社に依存しぎると、その会社が倒産したり、方針変更があった場合に売上のほとんどが一瞬でなくなってしまうリスクがあるからです。プランナーであれば、お客様からのプロデュースフィー、企業からの依頼の施行案件からの収益、執筆や講演などの収益、など複数のところから売上を取れるようになることを目指しましょう。
最初の売上が入るまで生きていける貯金または最低限生きていける売上を得る方法を作る
人によっては最低半年間は生きていける貯金を作るべき、と言うこともありますが、私はそれよりも売上の確保が先かなと思います。人にもよりますが、半年間は生きていける貯金があってスタートしても、無収入で4か月くらい経つと「あと2ヶ月で倒産だ…」と不安で正常な判断ができなくなってくるからです。それなら、例えば在職期間に結婚式を検討している方向けのアフィリエイトサイトを先に作って少しでも収入減を作るとか、企業からの依頼案件を毎月固定で受けるようにするとか、貯金がたくさんあるより少なくても売上がある方が精神的には安心できると思います。
体調管理をこれまで以上に徹底する
有給とかないので、体調不良で業務に支障をきたすとダイレクトに自分に跳ね返ってきます。体調が理由で仕事や事業が一時的にでも止まるとロスでしかないので、これまで以上に体調管理には気を付けましょう。
客観的に自分を見られるようになる
フリーランスになると、いい意味でも悪い意味でも自分の判断ですべてが決まっていきます。自分のやりたいことができる、逆にやりたくないことはやらないこともできるというメリットがある一方、その判断が正しいのか間違っていたのかだんだんわからなくなってくる、自分中心に考えすぎてしまって回りが離れていく、というデメリットも起こります。そのため、自分を客観的に見つめなおす時間を持ったり、または信頼できる人に定期的にメンターになってもらうのもいいかもしれません。
まとめ
フリーランスとして生き残るために必要なことをまとめました。ざっと挙げましたが、一番重要なことは何か?と聞かれたら「実行力」かなと思います。まずやる、とにかくやる、そのための仕事のスピード感とすぐやるマインドがある程度の問題は解決してくれる気がします。何が起こってもやりきるという覚悟をもって、地に足つけて生き残っていきましょう。