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結婚式で着る和装の種類を学ぼう|ブライダル基礎講座

公開日 2021/05/03

このブライダル基礎講座は、ブライダル業界専門の転職支援サービス「ウェディングミーキャリア」がお届けするブライダル業界で働く人なら知っておきたい基礎知識をまとめたWEBコンテンツ。
ブライダル業界の全体を知り、より実践に近づく業務を知ることができる内容をお送りします。

和装

ブライダルにおいては、洋装・和装を問わず、新郎新婦にふさわしいドレスコードがあります。新郎新婦の個性や好みにあった衣装を選ぶことは重要ですが、招待客に失礼がないように衣装を調えるという一面もあります。衣装選定においての実務的なアドバイスは専門知識が豊富な衣装店スタッフが行うので、ブライダル・コーディネーターは「おもてなしにふさわしいか」「結婚式やパーティの格やテーマにふさわしいか」という視点から、新郎新婦にアドバイスします。ここでは、新郎新婦衣装のベーシックなルールを解説するとともに、衣装小物、アクセサリーなどを紹介します。まずは、『和装の基本』について学んでいきましょう。

和装の基本

和装の場合も洋装と同様に、婚礼においては、新郎新婦は正礼装で臨む必要があります。和装では季節の装いをすることと、着物と帯の格をあわせることが重要です。

和服の種類と季節

袷(あわせ) 10/1~5月末
単衣(ひとえ) 6/1~6月末 9/1~9月末
薄物(絽、紗、麻など) 7/1~8月末

和装の格(女性)

正礼装(第一礼装) 準礼装 略礼装 外出(普段)着
既婚 黒留袖(五つ紋)
色留袖(五つ紋)
色留袖(三つ紋、一つ紋)
訪問着(紋付き)
色無地(紋付き)
付下げ
色無地
小紋
未婚 振袖 訪問着(紋付き)
色無地(紋付き)

花嫁の和装

和装の正礼装については、武家文化の流れを汲むものと、貴族文化の流れを汲むものとに分かれます。現在の花嫁衣装については、武家文化の礼装を採用するのが一般的ですが、まれに皇室の礼装である十二単などを着用する場合もあります。
武家文化の花嫁衣装としては、白無垢、色打掛、大振袖などがあります。なお、明治時代には黒留袖や色留袖、訪問着を婚礼衣装としていた記録も残っています。

1. 白無垢

打掛、掛下(かけした)、掛下帯、帯揚げ、綿帽子や角隠し、小物類など、すべてを白一色で統一した花嫁の正礼装です。白には、「婚家の色に染まる」との意味もあるといわれています。裾や衿元、袖などに挿し色として赤が使われていることもあります。結婚式の時だけ着用する花嫁衣装で、日本髪の文金高島田に綿帽子か角隠しをつけるのが最もオーソドックスな白無垢姿です。

掛下(かけした)

打掛の下に着る着物を掛下(掛下着)といいます。おはしょりをせずに裾(すそ)を引くように着付けます。白が基本ですが、色打掛では色地の掛下を組み合せることもあります。掛下には専用の掛下帯があります。

白無垢・綿帽子の衣装

白無垢・綿帽子の衣装

2. 色打掛

掛下の上に色のついた打掛を羽織る代表的な花嫁衣装です。白以外の色を使った打掛はすべて色打掛と呼ばれます。赤、黒、緑などの地紋の入った色地に金箔や刺繍などで吉祥文様が施されているもの、白地に金箔や銀箔が施されているものなどがあります。結婚式のほか、披露宴でお色直しに着用することも多いです。色打掛には角隠し(つのかくし)をあわせ、綿帽子は被りません。近年は洋髪のアレンジヘアをあわせることも増えています。小柄な花嫁に大きな柄の色打掛をお勧めすると柄が途切れてしまうことがあるので注意しましょう。

3. 大振袖(本振袖)

大振袖(本振袖)は武家の息女の礼装で、本来は五つ紋がつけられていましたが、現在は略されていることが多いです。打掛より一段格が下がります。黒引き振袖は黒地に華やかな吉祥文様が施された振袖で、黒には「高貴な色」との意味があります。おはしょりをせずに打掛姿の掛下のように裾を引いて着るのが特徴で、引き振袖とも呼ばれます。大振袖には角隠しをあわせ、綿帽子は被りません。洋髪のアレンジヘアをあわせることも多いです。

黒引き振袖・文金高島田の衣装

黒引き振袖・文金高島田の衣装

4. 綿帽子

もともとは真綿でつくった防寒用の袋状の帽子でしたが、現在では白絹でつくられることが多い花嫁用の被り物です。「婚礼が終わるまで花婿以外に顔を見せない」との意味があるといわれています。白無垢の結婚式の時だけに被る帽子で、奥ゆかしい雰囲気があります。披露宴でははずします。

5. 角隠し(つのかくし)

文金高島田の髪の上に被る白い帯状の布で、「角を隠し、夫に従順に仕える」との意味があるといわれています。白無垢、色打掛、大振袖にあわせて結婚式の時だけ被り、披露宴でははずします。櫛や簪(かんざし)などの飾りが見えるため、華やかな雰囲気があります。綿帽子、角隠しに格の上下はないので、衣装や好みにあわせて選ぶとよいでしょう。

吉祥文様の一例

モチーフ 柄の種類
花に由来するもの 松文様/竹文様/梅文様/桜文様/唐草 桜文様
動物に由来するもの 鳳凰(中国の瑞鳥)/鶴文様(おめでたい柄の代表格)/蝶/鴛鴦 鶴文樣
自然現象に由来するもの 霞文様/雲文様/雪輪文様 雲文様
幾何学模様 亀甲(正六角形の連続文様)/正倉院文様(正倉院の御物の文様を写したもの)/七宝つなぎ 亀甲
縁起物に由来するもの 束ね熨斗(干し物を奉書に包んだ様を図案化)/宝づくし 宝づくし(金嚢、隠れ蓑、宝珠)
貴族文化に由来するもの 貝桶(貝合わせの貝を入れる桶を写している)/御所車・花車(貴族の乗り物に花などをあしらう)/短冊/源氏香 貝桶
自然界の風物 流水文様/青海波/滝文/波頭/波文様 波文様

6. 鬘(かつら)

髪を文金高島田にする場合は、現在は地毛を結うケースはほとんどなく、大部分は髪を着用します。最近では文金高島田の髪をかぶらず、洋髪のアレンジヘアにすることも多くなっています。

7. 下着

肌着、裾よけ、白足袋を花嫁自身で準備する必要があります。和装店や提携衣装店などで購入します。

和装小物

花嫁の和装小物には次のようなものがあります。

筥迫(はこせこ)
和装時の化粧ポーチにあたります。武家の女性は懐紙(かいし)、紅などを入れていたが、現在は装飾品の1つとなっています。

懐剣(かいけん)
元は女性が身につけていた護身用の短剣が、江戸時代に嫁入り道具の1つとなったものです。白い布に入った短剣で、現在では装飾品として使われています。

末広(すえひろ)
先に向かって広がる扇子の形から、「末広がりの幸せ」の願いを込めて末広と呼ばれるようになりました。房の色は、白無垢は基本白、色打掛や大振袖には色がついたものを使います。男女問わず正装では身につけるものです。

抱え帯
もとは外出時の和装のおはしょり用の紐だったものが、装飾用に変化しました。

櫛(くし)、笄(こうがい)、簪(かんざし)
文金高島田の髪飾りで、櫛は前髪の最後部にさします。笄は髷(まげ)の根元上部に渡して飾ります。箸は左右の鬢(びん)の上部や髷の根飾りの下部にさして飾ります。

花婿の和装

男性の正礼装は黒無地の紋付羽織袴(もんつきはおりはかま)で、花婿は五つ紋と呼ばれる紋付の黒羽二重の着物と羽織に、仙台平(せんだいひら)の袴をつけます。小物類はすべて白で統一し、手には竹骨の白扇を持ちます。男性の正礼装なので、花婿のほか新郎新婦の父親や媒酌人が着用することもあります。白足袋や半袖肌着、ズボン下などは花婿自身が用意します。

紋付羽織袴の男性の正礼装

紋付羽織袴の男性の正礼装

仙台平(せんだいひら)

精好仙台平織袴地(せいごうせんだいひらおりはかまじ)の略称で、宮城県仙台に伝わる最高級の平織りの絹織物のことです。その技術は国の重要無形文化財に指定されています。現在では男性の袴地の総称ともなっています。

まとめ

今回は『結婚式で着る和装の種類』について書きました。花嫁の和装といえば白無垢と色打掛が基本ですが、その他の種類についても知っておきましょう。また、和装小物や花婿の和装の正礼装まで学んでおく必要があります。

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Wedding Me Career編集部
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