履歴書や職務経歴書で必須の自己PRは、経験者も未経験者もウェディングプランナーとして働くうえで、自分の経験や実績を応募先の企業にアピールするために、よく練って書く必要があります。しかし、採用側はたくさんの応募書類に目を通しているため、凡庸な内容では響かず、アピールにならない場合もあるのです。転職活動の自己アピールは
「今までの実績+ウェディング業界での即戦力+応募企業の業務に関連し将来性を見据えた自身の強み」
をブラッシュアップして伝える必要があります。
履歴書や職務経歴書に書く自己PRとは?
「自己PR」とは、応募先の企業に自分の強みや得意分野、専門性を伝え、自分を売り込むためのものです。
書類選考の段階で履歴書・職務経歴書への記入が求められるのが一般的で、面接では採用担当者の質疑応答の材料になります。転職活動成功には、採用担当者の興味を引き、評価される自己PRを準備する必要があるでしょう。
履歴書や職務経歴書に書く自己PRは、面接の前準備の役割を担っているため、ウェディングプランナーとして、または異業種からウェディングプランナーを目指すうえで
「何をやってきたか」「何がいますぐできるか」「今後どう(貢献)していきたいか」
という3点をしっかり盛り込むことが必要です。
「何をやってきたか」過去の仕事での経験・実績を洗い出す
まずは、自分が今までしてきた仕事の内容を徹底的に洗い出してみましょう。
ウェディングプランナーの仕事は幅広く、結婚式の成約からプランニング、会場や業者などの手配、当日の進行管理など、幅広い業務を担当する職種であるため、目安として、何が秀でているかひと目で分かりやすい実績が重要になります。
ウェディングプランナー経験者なら「実績」として、売上、目標達成率、成約件数といった成績を明確に記載することで、担当できる業務やスキルの高さを採用担当者にアピールできます。このとき、実務に携わった「期間」についても記載しましょう。内容や自分のポジションも併せて洗い出してください。
未経験者として異業種から転職する場合も、今まで携わってきた業務内容と実績を数値で示すのは非常に重要です。特に販売職や営業職に携わっていたなら、ウェディングプランナーの仕事で非常に重視されている「目標に対する数字意識の強さ」をアピールできます。
【前職の経験と実績の数値化でアピールできること】
・目標を達成する力
・目標となる数字への意識の強さ、執着心
・前職での企業への貢献度
「何がいますぐできるか」企業が求める能力・スキルに合わせた強みを伝える
面接や履歴書で「入社したらやりたい仕事」や「入社したら描いている将来のビジョン」といった希望や熱意をいきなり伝えるのは『志望動機』であって、自己アピールではありません。
経験者であれば前職での具体的な実績や経験を、未経験者であればウェディングプランナーの仕事に役立ちそうな経験と実績を、『応募企業が求める人材像』にすり合わせて表現を工夫し、即戦力としてどのように貢献できるか伝える必要があるのです。
異業種からウェディングプランナーへ転職するため、経験やスキルがなくても「積極性」や「コミュニケーション力」といった、接客や提案力につながる強みがあれば「ウェディングプランナーとしてどう活かし、どう貢献できるか」を想像力を働かせ、自己PRとして活用できます。そのためには、経験以上に職種や企業の情報を研究し、求める人材への理解の深さがカギとなるでしょう。
特に、素敵な結婚式をプロデュースして作りあげ、かつ成果も並列して挙げるためには、プランナーだけでなくパートナーとの協力関係やチームワーク作りが非常に重要になるので、「チームワークづくり」でのスキルや実績があればぜひアピールしましょう。
【仕事での自身の強みでアピールできること】
・目標に対しての具体的な努力方法
・努力したことが成果につながっているか
・チームワークを維持するためにしてきたこと
・コミュニケーション力
「今後どう(貢献)していきたいか」企業・職種で将来求められる人材を予想する
最後のアピールポイントは、志望動機にも繋がる内容ですが、応募する企業・職種で求められている能力を想像し「今の自分を活かして今後どう成長していきたいか」「入社したら将来的にどんな人材やポジションを目指すのか」といった目標を伝えましょう。
ここで注意してほしいのは、応募企業・職種で必要とされていなければ、過去の実績がどんなに優れていても、目標がポジティブであっても、意味がないアピールになってしまうのです。
また、経験が浅い場合には、転職後に活かせる知識やスキルをアピールした上で、転職に向けて現在取り組んでいる内容や勉強している内容の情報を盛り込み、採用担当者に将来性を感じてもらえるよう工夫しましょう。
「履歴書・職務経歴書」と「面接」で伝える自己PRの違い
「履歴書・職務経歴書」に書く自己PRと「面接」で話す自己PRの内容は、整合性がとれている必要があります。応募書類に記載したことをベースに、面接では具体的なエピソードを交えて、採用担当者に分かりやすく説明します。
「履歴書・職務経歴書」に書く自己PRは、文章は短く段落ごとに改行して読みやすくします。職務に関連する強みを簡潔にまとめ、企業が求める経験やスキルとマッチする部分を強調するよう、推敲を重ねましょう。
「面接」で話す自己PRの内容は、事前に転職エージェントなどを利用して、面接練習をした方が良いでしょう。特に、個性が伝わるために難しい言葉を使わず、分かりやすい自分の言葉で話すのは、練習なしでは難しいからです。
※ブライダル業界から異業種に転職するときの自己PRの書き方について詳しくはこちらをご覧ください。
より良い自己PRを書くための前準備「自己分析」と迷った時の相談先は?
転職活動における書類審査と面接で、分かりやすくポジティブで好印象の自己PRを作成するためには、新卒時の就職活動以上の、就職してから得たスキルの「自己分析」が重要になります。新たな就職先を決定するためだけでなく、入社後に仕事の満足度を上げ、転職活動を本当の意味で成功させるために重要なポイントです。
自分の性格、考え方、やりたいこと、長所や短所といった、自分の本音が分かっていなければ、自身のプレゼンテーションはできませんし、本当に自分の希望にあった職場は見つからないのです。
自己分析を考えるための3つの切り口
自己分析のための切り口として、考え方の基準となる3つの考え方をご紹介します。
なぜ転職したいのか?を突き詰める
給料が安い、望んでいた仕事ではない、やりがいが見いだせない、人間関係が悪い・・・転職の多くは不満や後ろ向きな理由がきっかけです。そこで「給料が高い職場に入るためには?」「やりたい役割を与えられるために必要なスキルを磨くためには?」といった、不満を逆転させるために、新たな職場に必要な要素を考えてみましょう。
どのような条件を最優先に転職先を希望するのか
不満を解消するためには、何らかの代償が必要です。「働いただけ収入が増える能力主義の会社に移りたい。そのかわり仕事が忙しくても構わない」など、自分が譲歩できる条件を加味して希望する転職先のイメージを具体的にしていきましょう。
もともと持っている長所と経験で得た自分の強みは何か
長所とひとくちに言っても、協調性、明るさ、リーダーシップといった生来の気質が大きく影響する自分の人間力や、これまでのキャリアを振り返って仕事で身についた能力、実績、成功体験で得た強みは、書き出したうえで分けて考え、アピールするとスムーズです。また、生来の短所を克服しようと経験から得た成功体験は、大きな強みになります。
自分の成長の軌跡や学習能力の高さ、現実対応能力などを示す材料として自己PRに活用しましょう。
志望動機が考えられない、自己分析が難しい場合の相談先
ウェディングプランナーとしての立ち位置や、自分がウェディング業界の中でどの立ち位置にいるか知りたい場合、また他者と比較した際の自分の強みを知るために、積極的に利用したいのが『転職エージェント』です。
転職エージェントは転職のプロであり、特に業界特化型の場合、さまざまな同業の求職者と面談し相談にのっています。その経験を活かし、面談を通して求職者のスキルを聞き出し整理して、他者と比較した際の個性や強み、魅力を見出してくれるのです。
転職エージェントは自己PRや職務経歴書の作成を助けてくれる
転職エージェントを通じての転職の場合、事前面談の際に求職者のスキルや希望を深くヒアリングしたうえで、求職者のスキルや強みにマッチした企業に推薦、応募する形をとります。
そのため、エージェントが企業側に事前に求職者の実績や人柄を説明するために、自己分析を手助けしてくれるうえに、職務経歴書や自己PR作成の相談や、書き方について添削もしてくれます。
自己PRが評価されないNG例と改善ポイントは?
どんなに自己分析をして自己PRを作成しても、採用担当者に響かない、魅力が伝わらない自己PRになってしまうケースを紹介し、改善点を解説します。
長所や強みに具体性や根拠がない
例えば「私には社交性があります。御社でも社交性を生かして頑張ります」「チームワークを大事にしているのでリーダーシップを発揮します」という回答では、長所の背景や裏付けが見えず、まったく説得力がありません。
社交性やチームワークを維持するため「日々心掛けている行動」「どのような成果につながったのか」「上司や先輩からの評価」といった具体的なエピソードを添えると、採用担当者は入社後の仕事ぶりを想像しやすくなり、魅力を感じてもらえるでしょう。
専門用語や横文字を多用する
異業種からの転職は特に、専門用語や横文字は他業界や他企業では使用されていない可能性があるので注意しましょう。
同じブライダル業界からの転職の場合にも、専門用語や横文字の多用は禁物であり、接客でもお客様に分かりづらい言葉遣いをしているのではと危惧されてしまうケースも。
誰にでも分かりやすく伝わりやすい言葉、自分の言葉で伝えましょう。
アピール要素が多く長過ぎる文章
「あれもこれも」と複数の強みや長所をアピールしたい気持ちは分かりますが、強みをたくさん挙げると、書類では読み手にとって非常に分かりづらくなります。また、面接では個性が掴みづらいうえに、自信がなさそうに見えたり、一貫性がない人に思われ、マイナスになりかねません。
どんなに素晴らしい長所があっても、応募企業では生かせそうになかったり、企業が求めている人物像とマッチしていなければ、面接官に魅力を感じてもらえません。求人情報の仕事内容や求めている人物像を確認し、生かせそうな長所を選んで自己PRしましょう。
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