ブライダル業界への転職をする際に、書類選考、面接で重要になるのが志望動機で、志望動機の書き方や話し方次第で選考通過率が大きく変わってくると言っても過言ではないでしょう。そこで、今回の記事ではブライダル業界に転職するときの「志望動機」で注意すべきポイントをまとめました。これから選考を受ける方や、転職を検討している方にとって参考になればと思います。
目次
転職時の志望動機の重要度
一般的な中途採用の選考フロー
転職をする際の選考フローは会社によって異なるものの、一般的には以下のような流れになることが多いです。
- 書類選考
- 担当者面接
- 責任者面接
- 役員面接
- オファー面談
2.~4.の面接回数や実施する順番は会社ごとにそれぞれでしょう。最初に役員と面接した後に担当者とすることもあれば、いきなり全員とする会社もあります。ブライダル企業の採用フローもこのように設定されている企業が多く、特に中途の場合は書類選考後に数回の面接で決定する場合が多いです。ウエディングプランナーとしての応募であれば、それぞれの面接担当者は以下のような役職者をイメージしておくといいでしょう。
- 担当者面接:式場のマネージャーやリーダー
- 責任者面接:支配人
- 役員面接:社長、取締役、執行役員など
面接時によく聞かれる項目
何次面接かによって、聞かれる深さや内容は多少異なりますが、多くの場合は以下のような項目が聞かれます。
- 自己紹介とこれまでの職歴・実績
- 転職理由
- 志望動機
- 将来的なキャリアパス
- 自分の強み、弱み
- 入社したらやりたいこと
- 年収などその他希望条件
いずれも必須で準備していくべき項目ですが、ブライダル業界の面接時に特に重要なのが「志望動機」です。結婚式場やそれに付帯するドレスショップやアトリエなどで従事するブライダルの仕事は華やかなイメージを持つ方も多いですが、実際は体力的にも精神的にはハードであり、軽い気持ちでこなせるものでは決してありません。結婚式場を運営している企業は当たり前ですがそのことをよく理解しているため、なぜブライダル業界を志望するのか、などこの会社で働きたいのか、といった志望動機をより深く確認する傾向にあります。きらびやかなイメージを持って応募したけど実際に入社してみたら違ったので辞めます、と言われると会社も個人もお互いに不幸なので、志望動機をしっかりと確認してから判断をするのです。
ブライダル業界に転職する際のよくある志望動機
志望動機は細かく見れば100人いれば100通りになるのですが、大きく分けるとブライダル業界経験者(結婚式場勤務から別の結婚式場や運営企業への転職)とブライダル業界未経験者(異業種からの転職)で異なります。
ブライダル業過経験者によくある志望動機
- 今の会社の雇用条件に不満がある(残業代が出ない、労働時間が長い、評価されないなど)
- 自分のやりたい接客ができない(売上至上主義で顧客満足軽視、など)
- 人間関係の悩み(パワハラ、セクハラ、など含む)
- 自分のなりたいキャリアパスを実現するため
- 扱う商材を増やしスキルアップをしたい(レストラン→ホテルなど会場タイプの変更、国内結婚式→リゾートなど商材の変更)
- 業態を変化させたい(結婚式場勤務→プロデュースサービスへ)
上3つの動機はネガティブな理由、下3つはポジティブな理由です(もちろん、面接時にネガティブな理由をそのまま話す人はいないと思いますが…)。ネガティブな理由では、ブライダル業界内の転職の場合、労働条件や環境に不満がありかつ自分ではどうにも解決できないときに転職を検討する方が多い印象です。一方、ポジティブな理由では、運営している式場数が多くない会社だとキャリアアップも頭打ちになりがちなのでもっと大きな裁量権を持てる大企業に働きたい場合や、自分のスキルや経験を活かしてフリーランスに近いプロデュースへの転職や会場業態を変えてスキルアップしたい、といった動機が多い印象です。
ブライダル業界未経験者によくある志望動機
- 今の会社の雇用条件に不満がある
- 自分のやりたいが営業ができない
- 人間関係の悩み
- 華やかな職場で仕事がしたい
- 人の幸せに携わる仕事がしたい
- 結婚式が好き
先ほどと同じく、上3つの動機はネガティブな理由、下3つはポジティブな理由です。ネガティブな理由は先ほどと同じで、業界や会社にもよりますが仕事環境に悩みを抱えている人は多いのでしょう。一方、ポジティブな理由は業界内転職者と比べると、どちらかと言えばイメージの割合が大きい印象です。ブライダル業界全体で見ると市場規模も緩やかに縮小していますし、給与も高いわけではないので労働条件に魅力を感じて志望したという人は多くはないです(ただ、ブライダル企業の中にもそういった環境改善に取り組んでいる企業もあるので、必ずそうだとは言い切れません)。そのため、相対的にそのような理由、動機で応募する方がいいのです。
ブライダル業界の志望動機を書くときに注意すべきポイント
ブライダル業界の特殊性を理解する
ウェディングプランナーの仕事はドラマやニュースの特集などでもたびたび取り上げられているので、ブライダル業界はどちらかと言うとイメージ先行の傾向の強く、自分のブライダルへのイメージと現実のブライダル関係の仕事とギャップの生じることがよく起こります。よくある事前イメージと実際にギャップとしては
- ウエディングプランナーには新規と打合せの2種類がある
- 新規プランナーはほぼ営業で成約目標のプレッシャーが半端じゃない
- 打合せプランナーは自分の好きなプランを提案できるわけではない
- お客様からのクレームが想像以上に多くてつらい
- クリエイティブな要素よりオペレーショナルな要素が大きい
などですね。ウェディングプランナーになって慣れてきたからと言って、自分のやりたいように結婚式の演出ができるわけではなく、あくまでも新郎新婦の意向に沿う形で演出プランを考えていく必要がありますし、なかなか業務が進まない場合は残業や会社に泊まり込みで仕事を続けるといったことも起こりえるのです。このように、もともと抱いていたイメージとのギャップが大きいと仮に転職してもすぐにまた辞めたくなってしまうので、業界特有の特殊性は事前にできるだけ勉強してから活動をするようにしましょう(このブログでも紹介していく予定です)。
志望動機を書くときの注意点
業界を志望する理由と、その企業(または結婚式場)を希望する理由を明確に整理する
特に異業種からブライダル業界を目指す方に多いのですが、
- ブライダル業界で働きたい理由
- この会社で働きたい理由
この2つは同じ志望動機でも全く別です。例えば、
- ブライダル業界で働きたい理由は、結婚式が好きで人を幸せにする仕事は自分の性格にも合っている、またこれまでのBtoCの営業経験が結婚式場の新規プランナーの仕事に活かせると思ったから
- この会社で働きたい理由は、東京都内に結婚式場が多く希望する勤務地と近い、またレストラン、ホテル、ゲストハウスなど多様なタイプの会場があるので自身のスキルを磨いて成長できる環境だと思ったから
このような感じです。上記の理由は適当に書いてますが、志望動機としてその粒度に明確な違いがあることはお分かりいただけるかと思います。この2つが混在していると、ブライダル業界が好きなのは分かったけどなんでうちなの?などの質問に答えられなくなってしまうので、しっかり分けて説明できるように準備しましょう。
イメージだけではなく、職種ごとの具体的な業務を把握しておく
「ブライダルのお仕事」には実はたくさんの職種があります。
- 新規ウエディングプランナー
- 打合せウエディングプランナー
- 一貫担当のウエディングプランナー
- ドレススタイリスト
- フローリスト
- サービス
- シェフ、キッチンスタッフ
- 司会者
- 音響
- フォトグラファー
他にもありますが、ざっと挙げるとこのような感じでしょう。もしウエディングプランナーを志望する場合であっても、業界には他にどういう職種があるのか、どんな仕事をしているのか、自分の希望しているウエディングプランナー職とはどのようにかかわるのか、これくらいは事前に勉強し、志望動機に盛り込みながら面接で話せるといいですね(個人ではなくチームで仕事ができる環境がいいと思って、など)
ブライダル業界に強いエージェントなどを利用する
このように、ブライダル業界の仕事の幅は広くイメージとのギャップが大きいのが特徴で、書類選考や面接をしっかり通過していくためにはこれらの情報はできれば応募前に知っておくべきだと思います。ただ、仕事をしながら情報を自分で集めるのも大変ですし、求人情報もリアルタイムに書き換わっていくのでそのすべてをキャッチアップしていくのも大変でしょう。そういった場合は、転職エージェントの利用がオススメです。この記事では詳細は書きませんが、志望動機の添削などもすべで無料でやってくれますし、自分で応募する前にまずは登録だけでもしてみたほうがいいでしょう。詳しくは以下の記事をご覧ください。
https://ichimarke.net/weddingplanner-agent
まとめ
繰り返しになりますが、ブライダル業界の仕事はイメージと現実にけっこうなギャップがありますので、応募する前にこのブログなどのブライダルメディアや応募する会社のホームページなどで事前に情報をチェックしましょう。さらに、実際の求人情報なども見て自分はどのような仕事を任されるのかも確認し、現実的かつ「自分だけの」志望理由を考えていくことが大切です。理想ばかりを追い求めた志望理由を作成しても、「そんなに甘くないよ」と採用担当者に思われてしまうかもしれませんので、しっかり準備してきたことをアピールしつつ丁寧に作りこんでみてくださいね。