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ブライダル商品の特徴とホスピタリティについて学ぼう|ブライダル基礎講座

公開日 2021/05/02

このブライダル基礎講座は、ブライダル業界専門の転職支援サービス「ウェディングミーキャリア」がお届けするブライダル業界で働く人なら知っておきたい基礎知識をまとめたWEBコンテンツ。
ブライダル業界の全体を知り、より実践に近づく業務を知ることができる内容をお送りします。

ブライダル商品

今回のテーマは『ブライダル商品の特徴とホスピタリティ』についてです。ブライダルは一生にそう何度もない、特別な意味を持つ商品です。それに携わるコーディネーターはブライダル商品の特徴を知って、ホスピタリティを持ちながら接客する必要があります。

ブライダルセールスの特徴

ブライダルは、初婚のカップルにとっては一生に1度のことであり、特別な意味をもちます。ここでは、他の商品にない「ブライダルという商品の特徴」と「カップルとのコミュニケーション」について解説します。

ブライダル商品の特徴

結婚式・披露宴は、平均総費用が約300万円を超える高額商品であり、他の商品にはない様々な特徴があります。ブライダル・コーディネーターは、商品の特徴を踏まえてカップルに接し、ブライダルを提案、施行していく必要があるのです。

1. 高額商品

1組当たりの結婚式・披露宴の平均総費用は、全国平均で約326万円と非常に高額です。一般に、高額商品の購入を考える人は慎重になり、他の商品と比較してじっくり検討する、検討期間が長い、という傾向があります。
即決する顧客がいる一方で、「すぐに決まらない」「競合する他の会場と比較される」「成約までの期間が長い」という特徴ももつ商品です。

2. 未体験商品

初婚カップルにとっては、結婚式・披露宴とも初めて経験する「未体験商品」です。また、当日まで実際には体験できない、という特徴もあります。ブライダル・コーディネーターは、カップルの希望・要望を引き出すヒアリングを行ったうえで、希望に添う提案を行い、実際のブライダルをイメージしてもらう必要があります。

3. 消滅商品・1回商品

ブライダルは準備期間が長くかかりますが、当日の結婚式・披露宴は1回きりで、写真や映像メディアなどを除けばあとに残らず消えてしまう、という特徴があります。高額商品であるのに消えてしまい、再婚カップルを除けばリピーターがいない、特殊な商品であるといえます。

4. 皆異(かいい)商品

結婚するカップルの希望・要望は多岐にわたり、理想の結婚式・披露宴はカップルごとに1件1件すべて違っています。会場側でパッケージプランを用意している場合でも、会場のコーディネートや演出、進行などはカップルごとに異なり、同じブライダルは2度とない、すべて異なる皆異商品です。ブライダル・コーディネーターは他社と違ったブライダル提案を行い、差別化する必要があります。

カップルとのコミュニケーション

ブライダルのセールスは、高額で未体験、そして1回きりの消滅商品という様々な特徴から、他の物販やサービス業にはない顧客とのコミュニケーションが要求されます。
結婚するカップルは、あらかじめ決まったイメージをもっているわけではなく、資料請求や問合せ、来館、ブライダルフェアなどへの参加を通じて、だんだんとイメージを固めていきます。
特に花嫁心理は複雑で「不安」と「期待」の両方があり、「自分たちらしいウエディングがしたい」一方で、「失敗したくない」という気持ちを併せもっています。両親などの家族も同様のため、一般のビジネス・コミュニケーション以上にきめ細やかな対応が必要なのです。
全体としては、聞く姿勢が約8割、話すのは約2割というバランスが望ましく、とくに新規接客においては、一方的に会場の特徴やメリットを語るだけではカップル心理とかけ離れてしまう恐れがあるので注意しましょう。
一例をあげると、チャペルや披露宴会場などの「場」にこだわるカップルには、音響や光などを交えた臨場感のある説明をする、着たい衣装が決まっている花嫁なら当日の衣装映え・写真映えの観点から話す、料理にこだわりがあるなら特別メニューへの対応を語るなど、カップルの発するキーワードから会話を展開し、実際の結婚式・披露宴をイメージしてもらうことが大切になってきます。
ブライダル・コーディネーターのコミュニケーションのとり方で、セールスの成否が決まることを理解し、会話の流れや接客スタイルを構築していく必要があります。

ホスピタリティ営業とは

ホスピタリティとは「心のこもったおもてなし」のことで、サービス業一般に広く知られる概念です。ブライダルセールスにおいてのホスピタリティ営業とは、その商品の特徴から「カップルごとに異なる接客」「相手を思いやる営業方法」といった意味で使われることが多いです。ここでは、ブライダルにおけるホスピタリティ営業の考え方について解説します。

ホスピタリティとサービスの違い

ホスピタリティの語源は、ラテン語のhospicsに由来し、「客人等の保護」と訳されることが多いです。ここから、hospital(病院)やhospice(ホスピス)、ホテル(hotel)など様々な言葉が派生したと言われています。英語のホスピタリティには「心のこもったおもてなし」「(報酬を求めない)歓待」などの意味があり、とくにサービス業では「おもてなしをして喜んでいただくこと」「お客様に心からご満足いただくこと」に主眼がおかれています。

一方、サービスは、ラテン語のservus(奴隷、しもべ)に由来する言葉で、ここから英語のslave(奴隷)やservant(召使い)、service(サービス)に派生していったとされる。サービスという言葉には受ける側が主で、提供する側が従という主従関係がはっきりした意味合いがあります。
ブライダル業界におけるホスピタリティとサービスの違いは、ホスピタリティが「相手の立場に立った」「思いやりのある」「個別の」営業手法であるのに対し、サービスは「相手に関わらず」「全員に」「一定の」ことを提供する営業手法であるといえるでしょう。
一例を上げると、ホスピタリティ営業では「お客様」と呼ばず「○○様」と名前で呼ぶ、「会場の設備を説明する」のではなく、「会場の特徴を生かした演出の提案をする」などの違いがあります。

テーマウエディングの提案

ブライダルにおいて、ホスピタリティ営業の中心となるのが、テーマウエディングの提案です。これは、カップルとの会話の中から核となるキーワードを拾い出し、テーマを設定して提案していくことをさします。
新規接客においては、カップルが繰り返し使う言葉があるので、注意して聞くことが大切です。
 
例えば、サーフィンを通じて出会ったふたりが来館し、「海」や「波」にこだわっている場合なら、テーマを仮に「海で出会ったふたりのマリン・ウエディング」などと設定し、会場のテーマカラーはブルーと白を基調にして、センターピースにはガラス器を使い、ウエディングケーキを波形にする、音楽はサーフィンへ行く車の中でかけていた曲にする、などのアイデアが考えられます。
食べることが好きで、「料理にこだわりたい」「ナイトウエディングが希望」というカップルなら、「おいしいお料理と夜景のアットホーム・ウエディング」などのテーマを設定し、ふたりの出身地の特産物を使った料理や、乾杯のあとカーテンオープンをして夜景が見える演出を取り入れるなど、料理と夜景をメインにしたパーティ提案が考えられます。
 
ここにあげたのはあくまで一例で、「カップルがよく口にするキーワード」「繰り返し使う言葉」からテーマを考え、ふたりの出会いや趣味などの要素を取り入れていくことがポイントになります。テーマウエディングの提案力は、会場の決定率、顧客満足度とも関わってくるので、自社の先行事例をもとに、いろいろなテーマウエディングを知っておくことが重要になります。

センターピース

ゲストテーブルの中央に配置し、おもてなしの心を表現する飾りの総称。代表的なのは装花ですが、キャンドルやオブジェなどもあります。

まとめ

今回の『ブライダル商品の特徴とホスピタリティについて学ぼう』では、他の商品にはない様々な特徴があるブライダル商品の説明と、特徴を踏まえてカップルに接し、ブライダルを提案、施行していくためのブライダル・コーディネーターとしてのコミュニケーション方法について書きました。

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Wedding Me Career編集部
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