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コーディネーター業務とマナーについて|ブライダルの基礎講座

公開日 2021/05/02

このブライダル基礎講座は、ブライダル業界専門の転職支援サービス「ウェディングミーキャリア」がお届けするブライダル業界で働く人なら知っておきたい基礎知識をまとめたWEBコンテンツ。
ブライダル業界の全体を知り、より実践に近づく業務を知ることができる内容をお送りします。

ウェディングプランナー

今回のテーマは『コーディネーター業務とマナー』についてです。ブライダル業界では、カップルが初めて来館し、最終的に会場を決定するまでを「新規客」、会場の決定後は「成約客」と呼んで区別することが多いです。ここでは、カップルが見学などで来館し、会場を決定、成約するまでの新規業務について解説します。

コーディネーター業務とは

ブライダル・コーディネーターは、カップルの理想の結婚式・披露宴を提案し、実現していく存在であるとともに、会場側にとってはセールスパーソンとしての側面をもちます。コーディネーター業務において必要な基礎知識を学習していきましょう。

セールスと施行

新規客についてるは、会場側のセールス担当としてカップルに接し、提案を行って会場を決定してもらうことが目的となります。成約後は結婚式・披露宴の実現のため、当日に向けて様々な手配と打合せ業務が発生します。

1. ブライダルセールス(新規接客)

新規客に対しては、下記のようなセールス業務があります。全体の流れを押さえたうえで、各業務を行う必要があります。

見学・下見など来館時の接客とヒアリング

ブライダルの提案(ホスピタリティ営業)

(仮予約/次回来館の促し=新規アフターフォロー)

成約業務

(成約担当者への引き継ぎ)

2. ブライダルの施行(成約客への対応)

成約客に対しては、下記のような打合せおよび手配業務があります。ここでは全体の流れを列記します。

・結婚式当日までの具体的なスケジュール作成
・ブライダルテーマの企画と提案
・成約者ブライダルフェアの案内
・招待客数の決定、招待状の手配
・衣装、美容の検討と手配
・引出物など各種ブライダルアイテムの紹介と手配
・料理、飲物、ウエディングケーキの紹介と手配
・テーブルプランの決定
・司会、音響、映像の手配
・中間金の振込案内と確認
・最終見積書の作成、最終金の振込案内と確認など

担当制と分担制

ブライダル業界のコーディネーター業務には、大別して「担当制」と「分担制」の2種類があります。カップルの新規来館から成約、成約後の各種手配、結婚式当日のアテンド(介添え)まで、すべてを1人のブライダル・コーディネーターが担当する「担当制」と、新規来館~成約までの担当者と、成約後~結婚式当日まで別のコーディネーターが担当する「分担制」であります。

1. 担当制が多い会場

ゲストハウス、レストラン、プロデュース会社などがあげられます。新規来館から結婚式当日まで1人のブライダル・コーディネーターが担当するため、お客様であるカップルの希望や要請などの情報、打合せ経過が一括管理でき、カップルとの打合せ内容の食い違いが起きにくい、信頼感や親近感を得やすい、などのメリットがあります。セールスから施行までを担当するため業務内容が多岐にわたり、「分担制」と比較して担当カップル数を多くもてない、という側面があります。

2. 分担制が多い会場

ホテル、結婚式場、旅館、各種会館などに多いです。新規担当と成約後の担当が分かれていることで、業務の分業化と専門化が図れるメリットがあります。ただし、新規担当から成約担当への引き継ぎが十分、かつ迅速になされていないと、「打合せの内容と違う」「前の人と対応が違う」などの印象をもたれることがあるため、情報共有をしっかりと行うことが大切です。

コーディネーターの身なり、身ぶり

ブライダル・コーディネーターは接客業、セールスパーソンという役割があり、身なり、身ぶり、言葉づかいにはとくに注意が必要です。おもな注意点が以下になります。

身なり

人の第一印象は約9秒で決まる、といわれています。第一印象は見た目などの「視覚」情報と、声やトーンなどの「聴覚」情報が約9割を占め、会話などの「言語情報」は約1割とされています。
ブライダル・コーディネーターは、その業務の特性から、「清潔感」「上質感」「エレガント」な身なりが原則です。近年は花嫁の美へのこだわりが高まっており、おしゃれ感のある髪型や化粧でないと花嫁の信頼が得られないことも多いです。ファッション感度を保ちつつ、両親や祖父母など、幅広い年代の方に好感をもってもらえる雰囲気づくりが重要です。

服装

機能性とファッション性を兼ね備えた服装を心がけましょう。清潔なスーツを着用し、シミ、シワ、ほつれなどに注意します。ブライダル業務の中には、椅子を動かす、テーブルを運ぶといった動きを伴う仕事も多いです。汚れがつきやすいのでクリーニングの頻度に注意が必要です。
接客業であるため、パンプスを履くのが一般的です。足音が響かないものを選んでよく磨き、メンテナンスを心がけましょう。とくに新規担当は、動きやすいからといってウォーキングシューズやスポーツシューズを履くのは避けたほうがよいでしょう。

お辞儀をしたり、作業を行うなどコーディネーター業務には動きが多いので、仕事中に髪を触らなくてよいよう、長い前髪やサイドの髪はピンで留めておくとよいでしょう。ロングの場合は1つにまとめることをおすすめしますが、まとめ髪でもエレガントに見える工夫をしましょう。ヘアアクセサリーは、服装とのバランスを考慮して選びましょう。カラーリングは明るすぎる色や極端に個性的なカラーは避けてください。

書類を指し示すなどお客様の目につきやすい部分なので、常に清潔に保ち、甘皮などの処理をします。マニキュアやジェルネイルをする場合、レストランなど料飲サービスを伴う業務では淡いトーンのピンク系かベージュ系が無難ですが、会場の業態、顧客層などによって、華やかなネイルを推奨している会場もあります。花嫁の美容の相談を受けるという意味で、ファッション性と好感度のバランスが大切になります。

化粧

接客業の基本として、万人に好感をもたれるメイクを心がけましょう。会場の業態や個性や顧客層により、メイクに対する考え方は異なっているので、所属する会場のイメージをふまえて考えるようにします。

身ぶり

丁寧、親切、俊敏な行動が原則です。ブライダル・コーディネーターは、あらゆる場所、角度からお客様に見られていることを意識し、姿勢・身ぶりに注意する必要があります。

表情と話し方

表情で大切なのは、つねに口角が上がった状態であること。明るく、にこやか、爽やかな表情を心がける。話す時は顔をお客様のほうへ向け、目を見て話しましょう。はっきりと発音し、聞き取りやすい速度で話すことを心がけましょう。

姿勢

お客様を待っている時の姿勢を、待機姿勢といいます。顔は正面を向き、背筋を伸ばしてまっすぐに立ち、肩の力を抜きます。手は左手を上にして指先を揃え、身体の前で重ね合わせます。足は両膝をつけて、つま先をつけるか、片足をやや引いて立ちます。そのまま上半身をやや前傾させて待機します。これは、すぐに動ける態勢をとるためです。
テーブルなどで接客する時も背筋を伸ばして椅子に座り、肩を開いてテーブルと平行に保ります。そのまま上半身をやや前傾させ、お客様と話をします。これは、「お客様の話をしっかり聞く」という態勢です。手はテーブルの上にのせ、左手を上にして軽く重ねましょう。

歩く時

足音を立てず、美しい姿勢で静かに歩くことを心がけましょう。会場の案内ではお客様の斜め前か後ろを歩きます。結婚式・披露宴当日のアテンドでは、招待客の前を横切らないよう注意し、写真撮影、映像撮影のカメラ位置をつねに確認して横切ったり、目の前に立ったりしないよう注意します。

お辞儀

立礼

立礼

お辞儀の立礼には3種類があります。いずれも背筋を伸ばし、頭から背筋、腰までは一直線に保ち、首を曲げて頭だけ下げないよう注意します。残心を心がけましょう。

①会釈…約15度身体を前に倒す。廊下でお客様とすれ違う場合、接客途中に席を立つ場合など。
②敬礼…約30度身体を前に倒し、目線は足下から約50~60cm先を見る。来館時の挨拶など。
③最敬礼…約45度身体を前に倒し、目線は自分の足下付近を見る。お礼を述べる時や謝罪、お見送り時など。

残心(ざんしん)

心をあとに残すこと、という意味で、おもに武芸や芸道で使われている言葉です。サービス業では「お辞儀のあとすぐに動かず、いったん止まってお客様に心を残す」という意味で使われています。

礼三息(れいさんそく)

礼三息

①から②へ、腰を折る動作の時に息を吸い、②の止まった状態で短く息を吐き、③で再び息を吸いながら戻る動作を「礼三息」といいます。
お客様に丁寧な印象を与え、自分の精神も落ち着く効用があるとされています。「三息(みいき)の礼」ともいわれています。
ポイントは、①から②への腰を折る動作、②の止まった状態、③で戻る動作の3つにおいて、それぞれ同じ時間をかけることです。数を1、2と数えながら行うと美しいお辞儀となります。

コーディネーターの言葉づかい

接客の中で、最も重要なのが「言葉づかい」です。敬語はもちろんのこと、接客用語を頭に入れ、日頃から正しい言葉づかいをすることが大事です。

接客8大用語

最も使用頻度が高いのは、下記の8つです。

・「ありがとうございます」
・「いらっしゃいませ」
・「恐れ入ります」
・「お待たせいたしました」
・「かしこまりました」(×わかりました)
・「失礼いたします」(×失礼します)
・「少々お待ちくださいませ」(×ちょっとお待ちください)
・「申し訳ございません」(×すみません)

敬語

敬語には、相手を尊重し、高めて敬う「尊敬語」、相手を高めるために自分や自社をへりくだって表現する「謙譲語」、丁寧に話すことで相手に敬意を表す「丁寧語」の3種類があります。敬語は相手やTPOに応じて使い分ける必要があります。

TPO(ティー・ピー・オー)

Time(時間)、Place(場所)、Occasion(場合)の頭文字をとった言葉で、時・場所・場合のことです。「TPOをわきまえる」「TPOに応じて…」などのように使われます。

敬語の一例

言葉の例 尊敬語 謙譲語 丁寧語
会う 会われる
お会いになる
お目にかかる
お会いする
会います
行く いらっしゃる
お越しになる
おいでになる
伺う
参上する
参る
(~しに)上がる
参る
行きます
言う おっしゃる
言われる
申し上げる
申す
申す
言います
いる いらっしゃる
おいでになる
おる おる
います
受ける お受けになる
受けられる
お受けする
承(うけたまわ)る
拝受(はいじゅ)する
受けます
借りる お借りになる
借りられる
お借りする
拝借(はいしゃく)する
借ります
聞く お聞きになる
聞かれる
伺う
承る
お聞きする
拝聴(はいちょう)する
聞きます
着る 召す
お召しになる
着ます
来る いらっしゃる
おいでになる
お越しになる
見える
お見えになる
来られる
参る 参る
来ます
する ~なさる
~される
いたす します
食べる 召し上がる
お食べになる
いただく
頂戴する
食べます
見る ご覧になる
見られる
拝見する

見ます

参考:三省堂WebDictionary『ことば百科』

接客用語集

分類 好ましい言葉づかい 避けるべき言葉づかい
人物の呼び方 わたくし、わたくしども わたし、僕、僕たち、うち
お客様、皆様 お客さん、皆さん
ご新郎、ご新婦、新郎様、新婦様 お婿さん、花嫁さん
ご子息様、お嬢様 お坊ちゃん、お嬢ちゃん、子どもさん
ご媒酌人 お仲人さん
男性の方、女性の方、ご婦人 男の人、女の人、奥様
お連れの方、お連れ様 一緒にいる人、連れの人
あちら様、こちら様 あっちの人、こっちの人
どなた(どちら)様でいらっしゃいますか どなたですか、誰ですか
会話時の言葉 さようでございます そうです
存じません 知りません、わかりません
少々お待ちくださいませ ちょっとお待ちください
誠に申し訳ございません すみません、ごめんなさい
ございません ありません
ただ今参ります すぐ行きます、今来ます
かしこまりました、承知いたしました わかりました、了解しました
結構でございます いいです、いらないです
人の動きを表す言葉 おいでになりました 来た
お見えになりました 見えた
お着きになりました 着いた
人の動きを表す言葉 お荷物、お召し物、お洋服 荷物、着る物、洋服
こちらでございますか これですか
お控室へご案内いたします 控室へ案内します、控室へ行きます
お迎えに上がります 迎えに来ます
お越しください 来てください

まとめ

今回の『コーディネーター業務とマナー』では、 ブライダルセールスの業務内容と、コーディネーターとして守るべき身なりや身ぶり、言葉使いについて書いていきました。

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