転職の際には、面接試験を突破する必要があり、これをどう攻略するかがとても大切です。接客業の極みと言っても過言ではないブライダルの世界においては面接が特に重要となります。ブライダルにおいては、紙に書かれた経歴ももちろん重視されますが、それ以上にその人の持つ雰囲気や人となりを見て採用するか否かを決めるため、面接対策は完璧にしておきたいところ。今回は、ブライダル業界に転職する際の面接対策について「よく聞かれること」を挙げながら、それぞれの回答例を紹介します。
目次
ブライダルの面接でよく聞かれる5つのこと
早速ですが、ブライダル業界の面接で必ずと言っていいほどよく聞かれることを5つ紹介し、それぞれの回答のコツについて解説していきましょう。あくまでも「ブライダル」という業界だからこそ聞かれる質問もあれば、一般的な面接でありがちな質問もあります。よく聞かれる質問には、前もって回答を準備しておくと面接本番に慌てることがありません。用意周到にしておきましょう!
質問①なぜブライダルに興味を持ったのですか?
この質問の意図は、ブライダルに興味を持った理由を聞くことで、その人のブライダルに対する思いの強さや知識の有無などを見計らうことです。つまり、漠然とした憧れの気持ちだけでブライダル業界に転職しようと考えている場合は、その想いの浅さが露呈してしまうところだとも言えます。
「結婚式に携わる仕事に就くのが夢だった」などの回答は夢があって素敵ですが、面接担当者に刺さる答え方であるかと言えばそうではありません。ここでのコツは、具体的な理由を話すことです。
「ブライダル業界には長年興味を持っていました。というのも、以前姉がハワイで結婚式を挙げたんです。このときに、初めて海外挙式というものを体験したのですが、やはり日本の結婚式とはまるで違う自由度の高さや開放感がありました。日本の結婚式は、どうしても同じような型にはまりがちだと感じます。少しでも新しいものを取り入れつつ、結婚式にオリジナリティを持たせられれば素敵だなと思うようになり、ウェディングプランナーを目指すようになりました。」
このような答え方をすれば、なぜブライダルに興味を持ったのか、そのきっかけも明確に伝わります。そして、ブライダルで何をしたいかという部分にまで触れているため、転職が叶った後のビジョンまで描けていることも印象付けられます。
質問②なぜ数あるブライダル企業の中でも弊社で働きたいと思った理由は何ですか?
ブライダル企業は数多くありますが、その中でもなぜその企業を選びエントリーをしたのか、これもほぼ毎回聞かれる質問です。ここで大切なのは、相手企業のことをしっかりとリサーチしてきているかどうかです。この質問に対してどのように回答するかによって、「しっかり調べた上でうちの会社を選んでいるんだな」と思われるのか、「あまり理解せずにイメージだけで選んでいるな」と思われるのかが決まります。
「御社を志望したのは、御社のコンセプトである〇〇〇に強く共感したからです。働く上で必要なのは、会社と自分自身が同じ方向を見据えて進んでいくことだと考えています。ブライダル企業を多くリサーチして、研究した結果、私が一番モチベーションを高く持ち続け、やりがいを感じながら働けるのが御社だと感じたからです。」
なぜそのブライダル企業を選んだのか、という質問に答える際には「調べなければ分かるはずのないこと」を何かひとつ必ず盛り込むようにすると良いでしょう。一番おすすめなのが企業理念の引用です。
企業理念には、企業が最も大切に考えていることが完結に述べられています。企業理念を知らずして、その企業を理解することはできません。きちんと企業についてのリサーチをしていることのアピールにもつながるため、積極的に引用しましょう。
質問③他に受けている会社はありますか?
転職活動は複数同時進行するケースが多いものですが、それを面接の際にどう説明するのかで悩んでしまう人は非常に多いです。面接担当者から「他に受けている企業の有無」を聞かれた際には、正直に回答することがまず大切です。ここで面接担当者が知りたいのは、「どの程度真剣に考えているのか」というところ。単なるすべり止めなのか、それとも第一候補として選んでくれているのかを見計らうためにする質問です。
中には、嘘をついて「御社しか受けていません!」と弾みで言ってしまう人も少なくないようですが、これは良くありません。企業側も、面接を受けにくる転職希望者が、同時に他の企業にもエントリーしている可能性があることは十分に理解しています。確かに言いづらいことかもしれませんが、他に受けている会社がある場合は正直に事実を伝えましょう。
「御社以外にもう一社ブライダル企業にエントリーさせていただいています。そちらは一次面接の結果待ちとなっています。御社とその企業の二社が今同時に進んでいる状況ではありますが、私としては御社を第一志望としています。理由は、~~」
他の企業の転職活動の進捗を伝えるとともに、「御社が第一志望です」と伝えましょう。やはりここは想いを伝えることが大切です。ただ第一志望というだけでは説得力に欠けるため、「もう一方の企業と比較してなぜその企業をより強く志望するのか」、その理由も明確に伝えましょう。
質問④思い描くキャリアプランはありますか?
「今後どのようになりたいか、キャリアプランはありますか?」と聞かれることは多いです。このときに面接担当者が聞き出そうとしていることは、「その企業に転職して、どのようなスキルや経験を身に着け、その上でどう成長していきたいのか」です。
今は転職することで頭の中がいっぱいかもしれませんが、面接ではよく聞かれる「その後のキャリアプラン」についての質問の回答はきちんと準備しておきましょう。
「私は将来的に海外に通用するフリーのウェディングプランナーになりたいと考えています。そのためには、さまざまな結婚式の形を知り、たくさんのお客様の結婚式のお手伝いをすることが欠かせません。特に、御社では国内の結婚式場以外にも、海外のリゾート挙式の取り扱いもあるため、ゆくゆくはそちらにも携わって良ければと思っています。
以前の職場はホテルウェディングだったため、ある程度型にはまった結婚式が多かったというのが正直なところです。御社で働くことができれば、これまでの経験を活かしつつも、さらに新しい結婚式のスタイルを知ることができると信じています。」
このように、あなたが目指す将来への道筋の中に、その企業での経験が必要であることが論理的に説明できていれば良いでしょう。
質問⑤ウェディングプランナーとして必要なことは何だと思いますか?
「ウェディングプランナーにとって必要なこと」を聞かれるケースも多いです。面接担当者は、この質問を通して、その人が「お客様にとことん尽くすホスピタリティ」と「結婚式をビジネスとして現実的にとらえること」の両方が備わっている人材かどうかを見ようとしています。
プランナーに大切なのは、「一生に一度の結婚式をお客様の理想に近い形で叶えるお手伝いをすること」ではありますが、お客様に寄り添うだけでは上手くいかないこともあります。ブライダルは結婚式を商品として利益を生み出すことで成り立つ業界です。ビジネスとして結婚式を捉え、利益率を常に頭に置きながらセールスをしていく、言わば「泥臭い部分」も必要な要素なのです。
「夢」や「イメージ」だけではプランナーは務まりません。きちんとビジネスの視点で結婚式を見ること、そしてお客様の満足度を上げること、この両方のバランスが取れている人材こそ、ブライダル業界が欲しがる人材だと言えます。
「お客様が最高の一日を過ごせるよう、お客様の理想とするイメージをきちんと理解し、そのイメージを形にすることが何よりも大切です。そのためにはたとえ難しいお客様であっても、どこまでも寄り添う忍耐力や、お客様の話を理解できるまで聞き続ける傾聴力が必要です。一方で、会社が成長していくためには利益を上げ続ける必要があります。お客様第一とはいえ、会社の利益を常に追求し続ける貪欲さもなくてはならないと思っています。」
プランナーという仕事をきちんと理解しているからこそ言える回答です。「お客様が満足できればそれでいい」、と答えるよりも、「お客様満足度と、会社の成長や売上UPについて、両方が同じくらいに大切である」と伝えるの方が良いでしょう。
ブライダルの転職面接でよく聞かれることまとめ
ブライダルへ転職したいと考える場合は、面接対策を入念におこないましょう。面接でよく聞かれることはある程度決まっています。ここで紹介した回答例を参考に、答え方を考えておくと良いでしょう。面接の際には、明るくハキハキ受け答えをすることもとても大切です。自信をもって面接に臨めるよう、準備を万全に整えておきましょう。